民泊とシェアハウスについて

有限会社南桜商事 代表取締役 奈良部年緒 (北地区2班)

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、外国人旅行者の増加や日本人旅行者の東京観光も増えており、民泊が注目されています。シェアハウスなどの違いも含めて簡単ですが、説明をしたいと思います。

民泊の許可には2つある
まずは民泊ですが、許可の取り方が2つあります。
大田区のように民泊を特別に許可している自治体で許可を取る「特区民泊」です。これは大田区のように民泊を奨励する特定の地方自治体で認められた民泊です。
またもうひとつですが、特区以外の自治体で民泊を運営するためには、旅館業法で定められた「簡易宿所許可」を取る必要があります。これは民泊が厚生労働省の管轄のためです。
民泊が出始めた当初はグレーゾーンが多かったようで「簡易宿所許可」が無くても、事実上黙認されたようですが、ここ最近の民泊の増加や流行によって法整備の必要性が重視され、明確に旅館業法違反となる場合も増えています。
なお、簡易宿所と特区民泊は似ていますが、簡易宿所は1泊以上の宿泊から認められるのに対し、各自治体により差はありますが、特区民泊は2泊3日以上の宿泊が前提(平成28年10月改正:大阪府・大阪市・北九州市)となります。

シェアハウスの場合
対して、シェアハウスの場合は、我々が取り扱っている「賃貸借契約」にあたるため、旅館業法で定める「簡易宿所許可」などの許可が不要です。これは管轄が国土交通省の管轄のためです。
しかしシェアハウスとして利用する場合は、建築物が建築基準法の定める条件を満たす必要があります。なぜならシェアハウスは建築基準法上では「寄宿舎」として取り扱われ、防火や耐火、採光、一定の空地部分などが求められます。
平成27年にはシェアハウス(=寄宿舎)規制に関する法律が緩和され、延べ床面積200㎡以下、階数3階以下、寝室数が12部屋以下などの場合は寄宿舎の規制対象から除外する制度ができました。
文京区では今後後者であるシェアハウスが増えるかと思われます。しかしシェアハウス運営などにはなかなか難しい部分も多々ありますので、今後我々の業界や組合で研究してゆく必要がある課題であると思います。