島国根性の何が悪い!

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『島国根性の何が悪い!』

綱島 正寛 南地区 4班/㈱ツナシマ

最近、特にその気持ちが強くなってきた。永い鎖国政策から一挙に欧米に“追い着け!”“追い越せ!”で結果、たどりついた先はみじめな敗戦であった。その戦後七十年を越えた今、国のあり方を考える節目を迎えている。
グローバル社会とかで、人・金・情報の国境が無くなった。しかし、隣国・中国もアメリカもヨーロッパ連合(EU)も経験した事のない混乱と悩みにさいなまれている。
アメリカ大統領選の共和党の候補者が、メキシコ国境に「万里の長城」を築くのだと宣言し、イスラム教徒の入国を排除すると主張している。
一方では夢と希望と強い経済力の実現を目指したEUの中枢を担ったイギリス連邦が残留か脱退かで国論を二分した結果、離脱を選択し、EU各国も先行きに大きな不安を抱えてしまった。
中国に至っては共産党政権の矛盾や国民の不平不満を外に向ける必要に迫られ、内陸の攻防に明け暮れた4000年の歴史から突如一方的に「海運強国」を宣言した。その結果、中国は一夜にして世界の“ひんしゅく国家”に様変わりした。
今日、国土が狭かろうが島国であろうが、情報のスピードは大国に負けない時代となった。むしろ、大国はなまじ広い国土を持ち、隣国と国境を接するだけに、さまざまな難問を抱え込む時代となった。島国日本では国境をはさむ隣国との対応に苦慮している実態を推しはかるこ とは出来ない。国境を自由に人が往来できれば、そこにイスラム過激派や、不法滞在者、政治難民が紛れ込み、自爆テロや若者の暴挙にどれ程の資金と人の命を投入しているものなのか、島国日本の想像をはるかに超えているだろう。
とかく日本は特殊な国だと言われてきた。日本は国土が狭く島国だけに隣人との接し方には無頓着だった。日本人は日本社会の中でいかに理解され信頼されるかを最も重視し、隣国からの脅威など考慮する必要すらなかった。高じて産業社会も世界に通用しない日本だけの商品やシステムが多すぎると揶揄されるようになった。しかしそれが今日、島国であるだけに大国と同じ悩みを持つ必要も無く、この時代、人・金・情報を国として曲がりなりにもコントロール出来ている。
日本は地球儀の上では極東の島国、日本を知らない国は多々あると聞く。しかし、つくづく“島国でよかった”“島国根性の何が悪い!”と、最近一人でつぶやいている。