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区議会日誌No.10 22期目区議・佐期目区議・佐藤ごういちの「全国統一地方選挙の年/文京区のまちづくり」

佐藤豪一 文京区議会議員
東京不動産企画株式会社
(東地区4班)代表取締役

あけましておめでとうございます。
本年もみなさまがご健康にご闊達にお過ごしになられることを心より祈念申し上げます。
さて、今年は緊張高まる全国統一地方選挙の年です。4月16日、日曜日8:00に公示され投票日が4月23日、日曜日、選挙活動は前日の土曜日20:00迄の1週間の選挙戦です。
4年任期の議員活動、議会、委員会での発言やその成果、区内、地域、支持母体に対しての活動や成果、そして新たな任期へ向けての政策やマニフェストをみなさまに評価される年でもあります。
宅建業協会のみなさまへ、私のこの4年間の区政報告、4年前の政策やマニフェストの達成状況については3月下旬に報告会を予定しておりますのでご多用とは存じますが、是非ご参集いただけますようお願い申し上げます。

「不動産業界と文京区のまちづくり」

文京区行政が区民のために素晴らしいまちづくりをすることは当然私たち不動産業協会にとりましても歓迎するところでございます。
但しどのようなまちづくりをするかを行政が提案し実行していく過程において、行政は現在の行政から提案し、不動産や建築の知識の乏しいワークショップとパブリックコメントのみを鵜呑みにして文京区のまちづくりを推進していく現状には様々なリスクが伴う事を行政にもっと理解していただき、ワークショップや審議会の構成メンバーに不動産業界や建築業界の学識のある地域の代表や町会や商店街などのメンバーをもっと招致して、様々な意見を積み上げていかなくては本当のまちづくりにならないと考えています。
現状では行政が招致した学識者と行政の意向が強く通りやすくなってしまっているのです。我々の英知を集結し行政に向けてしっかり発信することが文京区の素晴らしいまちづくりに発展することと考えています。

「まちづくりは区民のための環境づくり」

子育て世代がちょっと日向ぼっこをするポケットパークを増やしたい、高齢者のみなさまが歩いていてちょっと休憩できる場所が欲しい。もっとバリアフリーのまちづくりをしてほしい。これらを解決するためのまちづくりは行政がいくら頑張ってもなかなか解決できるものではない。やはり民間の力も大切です。
大手のデベロッパーが法定再開発や総合設計制度を活用する事業を応援し、且つ地域のみなさまの需要を捉えた開発になるように事業が事前にしっかりコンセンサスを得られるような協議会を開催できる組織作りをして、事業完成後に例えば地域の方々が憩えるポケットパークができ、街が整備され住宅密集が解消され文京区の魅力向上が期待できます。商業系地域はこのような活用で文京区の雰囲気がまだまだ変わります。説明会や協議会に不動産の建築の学識者が入らなければ、説明会や協議会では、やれビル風が、やれ日影が等、ネガティブな意見が多く会が説明者側と区民側で真っ二つに割れる様子をよく見ますが、そこに住民側でありながら学識性も高い我々が常に調整役として入れば、当該開発の良いところ懸念するところなど整理して両者をまとめることができるかも知れません。
文京区以外では既にほとんどの区で我々業協会がまちづくりに関わる協議会や審議会において招致され成果をあげています。私は我々業協会や関係諸団体のまちづくりに関する関与の必要性を区に訴え続けているのです。区が私の訴えを理解し実現されるまで今後もしっかりと訴えて参ります。
(次号へ続く)

第四ブロック座談会「第四ブロック新体制移行に向け、現3支部長対談現3支部長対談」

豊島区支部長:浅原賢一
文京区支部長:小能大介
荒川区支部長:井田裕樹
豊島区支部幹事長:山﨑耕司
司会進行:柳国承(豊島区支部情報委員長)

:本日は第四ブロックを構成する豊島区支部 浅原支部長、文京区支部 小能支部長、荒川区支部長 井田支部長に、年末のお忙しい時期にお越し頂きました。皆様ありがとうございます。
「第四ブロック座談会」ということで始めさせて頂きます。

テーマ1 それぞれの地域の特徴は?

先ずは最初のテーマです。令和5年4月1日から「第四ブロック」としての体制が始まるわけですが、それぞれ地域の特徴を簡潔にご説明お願いします。先ずは豊島区支部 浅原支部長から。
浅原:豊島区は現在人口が30万人弱、10年ほど前は25万人弱でした。当時のニュースなどで「消滅可能性都市」と言われたことから、高野之夫豊島区長が「何か町興しなどで盛り上げなくてはいけない」という事で「豊島区は芸術文化に力を入れていく」という区のコンセプトを謳い、人口増加を実現させました。
元区庁舎のあった跡地については、「Brillia Hall」という劇場建物を建築し、その他に豊島区内で 7つの劇場を要し芸術の街という PRを展開しています。それプラス「アニメ」ですね。近くにアニメイトがあり、西武池袋線沿線に「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」を開館し、町興しの一環として PRしています。
また、豊島区は単身高齢者が非常に多く、区内の7割が賃貸住宅というのも特徴です。
:続きまして文京区支部はいかがでしょうか?
小能:文京区の面積は11.29=B人口は24万3千人です。住宅地、商業地よりも学校が非常に多いですね。
「文(ふみ)の京(みやこ)」というくらいの名前ですので、ご存じの「東京大学」や「お茶の水女子大」など小学校から大学まで90校以上の学校があるという特徴から、職種としては「売買の土地」も少ないし学校周辺地などは厳しい規制もあります。そういった意味では不動産商売はやりづらい地域かと思います。
そのような訳で、豊島区さんの「芸術」とはまた違って「学問」に特化した区のカラーとした特徴がありますね。
文京区支部としては学生さん向けの賃貸などは活発で、売買の方は不動産所有者のお子さんがある程度の年齢になった時に「学校の入学に絡めた、一家での居住」という形での住宅や分譲マンションの売買なども特徴ですね。
それと、ご存じかと思いますが文京区は「JRの駅がない区」でして、新しい駅を誘致できるような状態に密集しているため地価も上昇しているのもあり、「マンションを買うにも二世帯でローンを組む」というような商売の現状です。
:続きまして、荒川区支部の井田支部長いかがでしょうか?
井田:お二人のお話にならい荒川区の面積をスマホで調べてみたのですが(一同笑い)文京区さんよりちょっと小さい10.16=A人口が約20万8千人です。荒川区は大きく分けると「日暮里地域 /町屋地域 /尾久地域 /南千住地域」があります。町屋や尾久も開発はしていますが、どちらかと言えば昔ながらの下町です。南千住においては数年前から大規模な開発が行われて、その前までは荒川区の人口は18万人前後をずっと推移していたのですが、南千住にタワマンなどが建てられ2万人以上増えました。つくばエクスプレスなどの交通も影響して、ようやく20万人を越えるようになっています。・
あと都電荒川線と新交通システムですが「日暮里舎人ライナー」が走るようになり足立区では大分恩恵があるようですが、荒川区ではそれほどの影響は感じられないですね。
荒川区は大学が1校しかないのですが、日本で有名な「私立の開成高校」は西日暮里にあり見るからに頭の良さそうな生徒さんが見受けられますね。
あとは残念なことなのですが、荒川区は都内23区で唯一「スタバがない」区です。
一同:えぇ~~(笑)
井田:スターバックスコーヒーが実はありません。
:先ほど再開発されている南千住は・・・。
井田:ありません!荒川区には日暮里、西日暮里のJR駅があり、その隣には田端がありまして、そこは北区になるんですけど、田端にはスタバがあるんです!
一同:(笑)
井田:地域性はそんなところです。
:続きまして支部や事務局などはどういう特徴でしょうか?
浅原:豊島区支部では会員数が約730社と業者数が多いのかと思います。豊島区支部では事務局員が2人在籍し毎年一般業務と会計業務を2年毎に交互に行い、両名とも、どの仕事も出来る体制をとっています。今の体制で10年前後やってくれているので「1言えば10返してくれる」ほどよくやってくれています。また、役員関係は年齢層の若返りが出来ているのも特徴です。
小能:文京区支部の事務局は1人体制で回しています。会員も270社くらいですからなんとか出来るとはいえ 1人に全てを任せるわけにもいかないので、役員がほぼほぼ一緒に手伝っていく形で、あとは外注に任せることもあります。例えば今だと「新年会のお知らせ」などは専門業者にまかせて、お知らせから集計までやってもらっています。そこを総務などがサポートするイメージですね。ですので、第四ブロックでは事務局員が3人になるということで、我々としては心強いです。
井田:荒川区支部ですが、だいぶ役員の若返りが進みました。我々の支部には青年会という組織がありまして、文京区さんもあるのですけれど、実は先日「宅建協会荒川区支部青年会創立 50周年記念」の忘年会があって、文京区支部さんや豊島区支部さんからも数名ゲストでお越し頂いたのですけれど、彼らは支部の業務について大分力を貸してくれるようになりました。そのきっかけは我々の業界でパソコンを導入していく必要に迫られた時期に、なかなかデジタル化への導入が進まない。そこで活躍してくれたのが青年会のメンバーで、一軒一軒会員さんの事務所を訪れ、メールのやり方や物件の写真のアップロードやネットへの情報掲載などを当時の青年会が一生懸命大活躍してくれたんですね。
その機運から良い流れがつくられ、徐々に徐々に若返りが図られ、ほぼほぼ支部の役員は当時の青年会のメンバーで成り立っています。
荒川区支部事務局は町屋から今の事務局の場所に引越しをした際、大分断捨離を行いまして、割と身軽な状態にはなっていて、すぐにもこちら(豊島区の事務局)に移動はできるくらい体制ではあるのですが、3月末までは維持をしていこうとなっております。事務員は一人体制です。文京区さんより更に会員数が少なくて、基本的にはうちの事務局員さんは一人で効率よく仕事が出来る方なので、時折担当役員が手伝うくらいという感じですね。

テーマ 2 第四ブロックをどのようにしていきたいか?それに対する課題など。

:それでは次のテーマに移ります。「これから始まる第四ブロック、どのようにしていきたいか?それにあたっての課題など」をテーマに、発言の順番など気にせず忌憚ないご意見を頂ければと思います。
小能:先ずは、基本的なイメージですが「公益事業は本部で行う」。例えば今現在では研修なども動画配信で参加者が増えてきていて、ゆくゆくは不動産相談なども公益に関わるものは本部で行うというのが本部上層部での方針ですね。
そうなると「ブロックは何をやっていくのだろう?」となるのですが、やはり共益を中心に活発に動く。今まで他団体との入会競争のあおりを受けて、交付金が減ったと言うことで既存会員の皆様にかなりご迷惑をかけていたのが、ここ数年の実情だったと思うのですね。今度はブロック会員の皆さんに「楽しく、皆さんで商売のやりやすい環境を作っていく」そういった共益事業を中心に還元をしていく。これからどこのブロックでもそういう流れになるであろうと思われるのです。
今までのような固いイメージではなく、柔軟に活動していく団体になっていくのではと思います。文京区支部は今予算を組んでいますが公益に関する項目を大分カットしました。そのカットした分を共益に回していくという大胆な予算を組んでいます。 今後 3支部合同での予算会議がありますので、詳細はそこで決めていくのですけど、3支部長の意見があえば、そういった流れになるのかなと私は思います。
:さしあたって、分かりやすい例を挙げると、旅行会や新年会などですか?
小能:そうですね。あとは忘年会なども含めて「区(支部)の壁」を取り払って、皆さんで楽しくやっていけるような流れ、ただ、当然人数が増えますのでそれに合った会場などの問題がありますけどね。
井田:大事ですよね。うちの支部(荒川区支部)では見聞きの情報で「第四ブロックになるよ」というのは分かってはいると思うんですけど、じゃあ実際に一緒になったらどうなるの?というイメージは、3支部の交流があればもっともっと肌で感じることが出来るのかなと思っています。先ほど、地域性のことを話していましたが、うちは長年不動産業を続けてらっしゃる先輩会員さんが多いので「豊島区支部ってどこにあるの?」(ここで豊島区支部山﨑耕司幹事長も参加)から始まるのですね。今ようやく「どうして第四ブロックになるのか?」の説明は理解を頂けたのかなと。「ならば、新しい事務局はどこなの?」そういう意見が現実として多いので、そこから片付けていかないと。
それと同時に3支部の会員さんが交流出来る場、機会を作っていくこと。会員間の中には実際に仕事上でのお付き合いが既にある方もいるかもしれないので、そうなると、ブロック活動に積極的に活動やお手伝いを頂ける方も出てきやすくなるのかと思うのです。
浅原:豊島区支部では、忘年会を3年ぶりに出来るようになっていて、参加される会員さんは「顔つき合わせて話し合える機会が再開して本当に良かった」という意見が多いですね。それが仕事になるか、ならないかは次の段階の話かと思うのでまずは、機会を作り、会員間のコミュニケーションを作ることが大事だと。小能支部長がおっしゃった通りブロックは共益がメインで、横の繋がりを作ることが一番大事じゃないかと思います。公益については本部でしっかりやってもらえればと。
あと、入会についてなんですが、本部とブロックの役割分担や方向性が今現在ハッキリしていないんですね。本部から特別交付金がおりてきて「新年会などに利用して」と潤っているわけなので、新入会員の獲得というのも本部とブロック全体的に大事なテーマですよね。
小能:おっしゃる通りですね。今、合併をしない単独でブロックに名称変換する支部もあるわけですから、そういうところは会員数が多いのですが、同時に入退会者の動きも大きくて、本部組織委員長である浅原支部長に、そういう所に開業センターを作って貰って受付もしてもらう。合併しないブロックさんはターミナル駅があるので、新宿と本部の研修センターだけでなく、新入会員さんの入会受付強化ができるのではないかなと。浅原組織委員長に是非動いて頂ければ。
浅原:分かりました(笑)。確かに、新宿の入会受付センターは良い場所にあって、業務内容を広げた方がいいなと思っているのですけれど、各支部の入会者数のデータが毎月出るのですが、今豊島は今年何故か都内の上位3番目の入会者数で。
小能:凄いですね
浅原:凄いんですよ。他の大きな支部は事務局員が3人体制でやっていて、そのうち1人が固定で入会の受付をやっているのですね。うちは二人でそれだけの事務処理を回していて、事務局員の能力も関係するのですが、やろうと思えば出来るのだなと。今後ブロックになりもう一人加われば入会受付など行うことは出来るのかなと。
小能:そうですよね。開業センターとしてやってもいいですよね。
浅原:開業センターっていうとちょっと大きな話なので、ブロックで入会受付はするべきだなと。それプラス、開業センターの行政書士だけの受付をしていますけど一般の受付もする。そういう届け等は都庁へ出しますから、帰りがけに寄って受付できるようになるのが理想かなと考えています。
小能:ターミナルにブロック事務所がありますから、そういうことができますよね。
そして、話題が変わるのですが若手の交流と育成をしていかなくてはいけないと思うんですね。豊島区支部さんも荒川区支部さんも「若返りが出来ていますよ」とおっしゃっていました。でも今は良くても毎年積み重ねていくと、そのうち空洞化してしまう可能性もあります。
今、文京区支部と荒川区支部では青年会があります。この青年会が支部の福利厚生を担ってくれているんですね。例えば文京区支部ですと先日クリスマスパーティーとして120人参加で盛大に行いまして、東京都本部では8支部に「青年会」があって、荒川さんなんかはお付き合いが深くて、今回のパーティーに荒川区支部の青年会にも来て頂いて、文京区支部も会員さんの奥さんやお子さんも参加され、催し物やもの凄い景品のビンゴを用意して、お子さんが両手に袋を抱えきれずに帰るような不動産屋ならではの企画をして、これは支部としては出来ないんですね。
「青年会に入る、運営をしていく、そこで交流し、組織を学んで、そういうメンバーが支部の役員として上がってきてくれる」
僕も青年会長を務めまして、今は支部長を務めるようになっていますけど、そういう時代に文京区支部は入っていまして、そういう底上げの文化が出来ている。
豊島区さんではゴルフ同好会がそれに該当するのですか?
浅原:ゴルフ同好会はそれ(青年会)に変わるというほどではないですけれど、本部では「青年部会」という組織になるのですよね。
山﨑:せっかく今度第四ブロックとしてやっていくわけですから、例えば行事ごとに少しずつでも一緒に合同で企画を行えたら良いですよね。うちでも若手がどんどん参加出来るようになれば。
井田:非常にいいと思いますよ。
山﨑:先日荒川区支部さんの50周年参加させて頂いて、とても楽しかったですから。
:青年会は支部と一緒に立ち上がったような歴史なのですか?
小能:台東区支部さんと文京区支部青年会は支部創設より前に立ち上がっています。
井田:支部より青年会のほうが長いんです。
小能:夏にはバーベキュー大会もやったりします。
山﨑:そういうのも、少しずつ一緒に行って、参加者も少しずつ増えていったらいいかなぁと。
浅原:年齢制限はあるんですか?
井田:青年会毎に規約があるんですが、荒川区支部の青年会は55歳ですね。
小能:うち(文京区支部青年会)も同じです。 そして55歳以上になった会員さんは賛助会員ということで。
井田:お金は出して口は出すなと(笑)
:そういう文化が根付いているんですね。
小能:それが共益の最たる所になりますし、会員間だけで無く家族も巻き込んでいるので、小さな子供さんも知っていて、その子が大きくなって支部の役員として手伝って頂いたりしていて。
井田:荒川区支部もまさにそうですね。こないだ歴代の会長さんの息子さん、昔サマーランドに行った企画の集合写真で当時小学生だったその息子さんが写っていて、その方が青年会の中心で活躍しているんですね。本当に歴史があるんです。
そしてもう一つ、私も本部に行くようになってですね、墨田、江東、葛飾、江戸川、台東、北区の支部長さん達が同時期に青年会でやっていたメンバーがこぞって本部にいらっしゃるので、安心感もあるし困った事があれば助けてもらえるなど「青年会ってやっぱり凄いな!」って思います。それともう一つは、支部内でも我々は町場の小さな不動産業者ですから、ほとんどが家族経営の会員が多いです。大きな会社ならば研修や共益イベントが出来ますがそういうわけにはいかないので、青年会で「同地域、同業で同世代の」メンバーで悩みを打ち明けたり情報共有をしたりそんな場があることで、私も助かったので 組織を学んだり業界の歴史を学んだり出来るんですね。地域性がありますから一概に当てはめることは出来ないかも知れないですけど、都宅協としての青年部会や青年会はどんどん伸ばして行きたいなと思います。先ほど名前を挙げた8支部の他に、実はもう一つ20年ほど前に品川区支部さんが青年会に入れて貰えませんか?ということで加わっています。別に断る理由はありませんので、そういった意味で豊島区支部さんも是非青年会に参加を頂けたらと。
浅原:ブロックになったときに、文京区支部さんと荒川区支部さんの青年会が従来通りに活動を続けるのか、豊島区支部も含め一つにまとまるのか、どうでしょうか?
山﨑:出来れば、新しく豊島区支部単独で作るのではなく、文京さん、荒川さんの中に少しずつ入らせて頂き、その中で豊島区支部内での会員拡大が出来たらやり易いかと。いきなりは大変な面があるでしょうから少しずつ・・・。
小能:そういうのもいいと思いますよ。
:本部は「青年部会」と「青年会」に関してはどういった見解なのでしょうか?
小能:まずですね、本部は「青年部会は従来の32支部体制でやっていいですよ」と。その理由に多摩地域が広大な地域で合併しますので大変なのです。なので「青年部会は32支部今まで通りやって下さい。そのうえでまとまってもいいですし」というスタンスです。
「青年会」に関しては当然、独自で動いていますので、本部は何も言うことはないと。
浅原:女性はいらっしゃるのですよね。
小能:もちろん参加しています。
山﨑:豊島区でも、声をかければ30人くらいはすぐ集まるから、もっと本格的に声をかければ参加人数は伸びるかと。
小能:そうですね。
浅原:山﨑幹事長が団塊ジュニアの世代なので、その下になると急に少なくなってしまい我々の世代で10年後くらいは大丈夫かなと思っているのですけど・・・。
:20代、30代の世代ですね
小能:ちなみに私の倅が33歳ですけど、青年会に所属して、私の父も青年会に所属をしていましたので親子三代という形が出来ていますね。
浅原:そういう繋がりをつくっておかないと、先細りになってしまいますよね。
井田:うち(荒川区支部)は新規入会で入られた会員さんがいたら、青年会長に「すぐ行ってこい!」とスカウトに行かせるんです。
山﨑:うち(豊島区支部)は「青年部会」に所属をしてくれても、活動が年に数回なので、自分が青年部会に所属しているという意識が低いんですね。しっかりとした組織を作れたら、文京区さんや荒川区さんのような形ができるのかなと。
:青年部会ということで、支部から活動費が出てその範囲で活動をしますからね。
山﨑:他の法人会や商工会も青年会は会から活動費が出て、且つ会員から活動費も集めているんですね。そうすれば会員個々の所属意識が高まって、活動も盛り上がるのかなと。
浅原:会費徴収方法は?
井田:荒川区支部は古いやり方ですが、担当役員が直接手集金ですね。
小能:文京区支部も同じです。集金に行くとコミュニケーションをとれるのが良いんです。
浅原:なるほど。
井田:荒川区支部では青年会が発行する「川の手不動産ニュース」というのがありまして、もとは台東区支部さんがやっていて、自分たちの空き物件の情報を集めて製本して会員の皆さんにお配りしている小冊子なんですね。昔は「それが欲しいから青年会に入りたい」という方もいらっしゃるくらい、今ではネット検索ですけど、昔は近隣の確かな情報を紙の情報にしていて、今でも続いているかと思います。
そうすると噂を聞きつけた行政の高齢者福祉課担当者などから声がかかったりして広がっていくんですね。
浅原・小能:いいですね。
山﨑:そういうところを取り入れたいのですけど、豊島区支部は範囲が広いので温度差があって・・・。
浅原:豊島区は池袋が入会者多いのですけど、退会者も多くて、池袋外周の大塚、巣鴨、駒込、椎名町、東長崎のような地域が親子で長くやっている会員が多く、役員になってくれる方も多いです。若い人も入ってくるのですけど、合理的な商売最優先の方が多くてもちろん本業商売大事ですが、困ったときに助け合おうという部分が少ない方だと・・・。
:バーベキューなどは本当に楽しそうで、良い企画ですね。
小能・井田:そうですねぇ。
山﨑:年に2回くらいの活動では、横の繋がりを強くするのは難しいですねぇ。
小能:そういったことで「若手の育成」というのは第四ブロックとして大きくて大切なテーマですね。
井田・浅原:楽しみになってきましたね。
:とても建設的な意見交換ができていると思います。

大分時間が迫ってきたのですが・・・。
小能:最後に一つ私からよろしいですか?支部報作成されていますよね?これ、とてもお金がかかるんですよね。これを電子化する方向で出来たらと・・・。
浅原:豊島区支部では半分以上電子化しています。来年度の予算は全て電子化で組んでいます。
小能:それは良かったです。そのノウハウを教えて頂けると大変有難いです。今回豊島さんのやり方を学ばせて貰えたら
山﨑:文京区支部の支部報を拝見しましたけど、クオリティーがとても高いですよね。
:私は逆に三浦(文京区支部情報委員長)さんに色々と教えてもらいたいことが沢山ある程で。
浅原:ただ、年配の会員さんで紙媒体の支部報を望んでいる方々がいらっしゃるんですよね。全部を電子化は極端かもしれないので、役員改選時などの節目などは紙媒体などで発行が出来たらバランスが良いかなと。
小能:第四ブロック統合に関して「第四ブロックニュース」なんてコーナーにして「来年度は組織が変わるんですよ。事務局は現在豊島区支部さんの事務局になりますよ」なんて会員の皆さんにお知らせはしています。浅原さんがおっしゃったように時折「紙媒体で全会員に配布」も効果的にお知らせ出来て大切でもあり、電子ですと読んでもらえない可能性があって、少しずつ電子化へ変化させながらも、比較的ドラスティックにやっていかないと、お金がなくなってしまうんですよね。
浅原:支部のお知らせを FAXからメールに切り替えるのは?
小能:文京区支部はやります。
井田:荒川区支部は準備中です。やります。
:どうしても先輩会員の方にはメールやネットが扱えないという事情があって、切り捨てるわけにはいかないですからね。
小能:この間、山﨑幹事長からそのお話を伺っていましたので、課題はあるのですが少しずつ解決していければと思います。よろしくお願いします。
:そろそろまとめにお願いを致します。
浅原:役員のほうはコミュニケーションがとれているので、第四ブロックは順調にスタートができそうですが、事務局の事務負担がどうなるかが気になりますね。
小能:支部会員全員はもちろん、特に区と区の狭間の会員さんに対して「これから第四ブロックになるんだよ」と認識を持って頂いて、今まで以上により緊密な連携をとってくれると嬉しいですね。
井田:広報ですね。広報を充実させていきたいですね。昔は支部役員と青年会がうまくいってなかった時代もあって、それを乗り越えて今があったりもしまして。
浅原:今度はそういう諸先輩の座談会をしてみたらいかがですかね(笑)
:そうですね!歴史を学ぶということで、そんな企画もいいですね。そろそろお時間になりましたので、本日はこのあたりでお開きにさせて頂ければと思います。お忙しい中お集まり頂き、とても充実した会話を有り難うございました。
浅原・小能・井田・山﨑:ありがとうございました。

 

【特集】
インボイス制度が及ぼす不動産業界への影響

三浦孝志 東地区1班/(株)タープ不動産情報

2023年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方式としてインボイス制度が導入されます。インボイス制度とは「適格請求書保存方式」のことをいい、消費税免税事業者となっている個人事業主等にも大きな影響を与えるといわれています。そこで今回はインボイス制度の基本的な内容や不動産業界にどのような影響を与えるかを解説します。

インボイス(適格請求書保存方式)制度とはどのような制度?

インボイス制度とは、複数税率(8%,10%)に対応した消費税の仕入税額控除の方式で、正式名称は「適格請求書等保存方式」といいます。インボイス制度では、適格請求書発行事業者のみが適格請求書を交付でき、消費税の税額控除の適用を売り手と買い手双方に受けることができるという制度で、税額控除を受けるためには、売り手は適格請求書を交付してその写しを保存し、買い手は適格請求書を保存することが義務付けられています。

適格請求書発行事業者とは?

適格請求書発行事業者は、適格請求書を交付しようとする課税事業者が、自ら税務署長に申請し、適格請求書を交付することのできる事業者として登録を受けた事業者をいいます。
2023年(令和5年)10月1日から導入される「適格請求書等保存方式」においては、仕入税額控除の要件として、原則として適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書の保存が必要となります。
そして、この適格請求書を交付しようとする課税事業者は、納税地を所轄する税務署長に「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出して、適格請求書発行事業者として登録を受ける必要があります。
登録申請書は、e-Taxを利用して提出することもできます。
適格請求書発行事業者は、国内において課税資産の譲渡等を行った場合に、相手方(課税事業者に限ります)から適格請求書の交付を求められたときには、適格請求書の交付義務が課されています。

適格請求書とは?

適格請求書発行事業者が発行する適格請求書は売り手が買い手に対して適用税率や消費税額などを正確に伝えるため一定の事項を記載し作成される請求書や納品書などの書類を指します。現在は仕入先が発行した請求書があれば仕入税額控除を受けられますが、インボイス制度開始後は適格請求書を用いて仕入税額控除の申請を行うことになります。請求書以外の仕入明細書や納品書、領収書でも下記6項目がすべて記載されていれば、手書き・電子問わず適格請求書として交付できます。インボイス(適格請求書)は、必要な記載事項は定められていますが、様式や書類名は特に定められていません。このため、請求書、領収書、納品書、レシート等のいずれであっても、必要な事項が記載されていればインボイスに該当します。
「自社発行のどの書類をインボイス(適格請求書)とするか?」の検討や、「取引先が発行する書類のどれがインボイス(適格請求書)となるか?」の確認が必要になります。

いつから開始するの?

インボイス制度は、2023年10月1日から開始します。現在は軽減税率の導入により消費税率 10%と8%の複数税率が存在するため、2019年10月1日より2023年9月30日まで区分経理に対応した「帳簿」及び「区分記載請求書等」を保存する方式で対応しますが、2023年 10月1日からはインボイス制度に変更となります。これに先駆け、2021年10月から、「適格請求書発行事業者の登録申請が開始されています。

インボイス(適格請求書)を発行するためには、所轄の税務署に登録申請書を提出し、「適格請求書発行事業者」となる必要があります。登録申請書の提出後、税務署による審査を経て、インボイス(適格請求書)に記載する登録番号が公表・通知されます。登録申請は2021年10月1日から受付が開始されています。2023年10月1日から登録事業者となって「適格請求書」を発行する場合、2023年3月31日までに登録申請書の提出が必要なので、注意しましょう。

不動産業界に与える影響は…

転売用不動産、賃貸不動産取得の場合

現行制度上、個別対応方式を前提とした場合でも事業用の建物の賃料は課税売上となるため、その取得に際して支払った建物に係る消費税については仕入税額控除ができます。これは、個人や免税事業者から取得した場合も同様です。しかしながら、上述の様にインボイス制度の導入後は、原則、インボイスを発行できない個人や免税事業者からは仕入税額控除ができないものと思われます。この点、宅地建物取引業者については、個人や免税事業者から取得する建物については、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる特例も設けられています。

〇帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められる場合(転売目的のみ)

請求書等の交付を受けることが困難な以下の取引は、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められます。
・適格請求書の交付義務が免除される取引
・適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)を満たす入場券等が、使用の際に回収される取引
・古物営業、質屋又は宅地建物取引業を営む者が適格請求書発行事業者でない者から棚卸資産を取得する取引
・適格請求書発行事業者でない者から再生資源又は再生部品(棚卸資産に限ります。)を購入する取引
・従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当等に係る課税仕入れ
この特例の対象には、宅地建物取引業を営む者が行う適格請求書発行事業者でない者からの建物の購入も含まれています。この点での留意すべきは本特例が、宅地建物取引業者以外の事業者との公平性を踏まえ、その対象を売買目的となる「棚卸資産」に限定しているという点です。つまり、転売を目的として建物を取得した場合については、不動産販売業者においては「棚卸資産」に該当するため、特例により、インボイスがなくても仕入税額控除が認められますが、その一方で、自己保有物件として賃貸することを目的に建物を取得した場合には「固定資産」に該当するため、特例の適用が認められず、仕入税額控除ができないことになると思われます。

大家業を営んでいる場合
店舗やオフィスを貸しているオーナーについては以下のような課題が生じると予想されます。店舗やオフィスの借主は消費税の課税事業者であるケースが多く、家賃には消費税が課せられています。この場合、オーナーが免税事業者でインボイスを発行できないとなると、家賃に係る消費税を仕入税額控除できないことになると思われます。このことはテナントサイドの理屈・行動原理として、インボイスを発行するオーナー物件への転居、あるいは控除できない消費税に配慮した価格交渉を行いたいというものが当然に予測されます。その一方で、テナントサイドがオーナーに対して課税事業者になるよう要請することにとどまらず、課税事業者にならなければ、取引価格を引き下げるとか、それにも応じなければ取引を打ち切ることにするなどと一方的に通告することは、独占禁止法上又は下請法上、問題となるおそれがあるとのことです。
因みにアパートやマンションといった住居の家賃は消費税がかからないため、インボイス制度の影響はありません。

口座振替(振込)家賃の扱いについて

初回の契約に基き、以降毎月の取引の都度には請求書が発行されない取引は往々にしてあると思います。例えば、口座振替や振り込みにより決済される家賃については、登録番号などの必要事項が記載された契約書とともに、日付・金額が印字された通帳を保存することにより、インボイスの発行を省略することができます。なお、不動産の賃貸借のように請求書等が発行されない取引については、中途で貸主が適格請求書発行事業者でなくなることも想定されますので、国税庁のホームページで貸主の状況を確認したうえで仕入税額控除の計算をする必要があります。

まとめ

インボイス制度による不動産事業にかかわるメリット、デメリットが分かってきました。賃貸に関してはテナントからインボイスを求められることが見込まれることから、課税事業者になって適格請求書発行事業者を登録するということも考えられます。適格請求書発行事業者になることで、借主が仕入税額控除を受けられるようになるため、物件の競争力は相対的に高まると考えられます。しかし、一方で課税事業者になることで、消費税を納付しなければならないため、金銭的な負担が増える。消費税の確定申告など経理の手間が増えるといったデメリットもあります。貸主、借主、仲介業のメリットとデメリットを理解しそれぞれの立場で適切な対応が求められると考えられます。まだ制度開始まで時間があるように思えるかもしれません。
しかし、インボイス対応での検討事項は多岐にわたるうえ、システムの切り替えが必要な場合も想定すると余裕を持った制度対応をオススメします。

【区政報告】
2期目区議・佐藤ごういちの区議会日誌 No.9

佐藤豪一 文京区議会議員 東京不動産企画株式会社(東地区2班)

文京区議会では10月14日、9月の定例議会、令和4年度9月補正予算、文京区令和3年度決算特別委員会の全てが可決され終了いたしました。
今回の目玉は110億円を超える大型の補正予算でした。これで本年度の区の予算は1,600億円近くになります。なんと私が8年前に区議会議員になったときの区の予算は900億円弱でしたから、コロナ禍ということもありますが倍近い予算となっております。
さて、新型コロナウイルスの感染拡大から3年が経ちます。年度初めの予算もここ3年、この対策のための補正予算が組まれていることが特徴です。未だ完全なる終息の目処は立たない新型コロナウイルス感染症ですが、今回も補正予算の殆どが新型コロナウイルス感染症関連の過去最高額と言える補正予算となっております。
補正予算の中身については先ほどお話ししましたように新型コロナウイルス感染症関連が多いのですが、今回取り上げたいのは子育て世代のみなさまにご理解いただきたい補正予算絡みのお話です。本補正予算では「文京区子育て世帯応援特別給付金」として約12億円強を一般会計より捻出いたします。これは区独自で子育て世帯に一律3万円を給付するもので、当初区は25,000円を主張していたものを自公で3万円に引き上げました。この給付は国の児童手当について令和4年10月1日より所得制限をするための、区独自の取り組みです。この給付金は単年度の給付で来年度以降はどうするか検討が必要です。
所得制限に関しましては、これにより国より給付が見込めなくなる世帯のみなさまにとっては大変重要な問題であり、私個人的には大変同情いたしますが。国も限られた予算の中で我が国の社会保障制度を維持し更にブラッシュアップするための苦渋の決断であったと理解しています。
以下、参考までに関連国会答弁を掲載いたします。

(第208回国会 衆議院内閣委員会 第25号 令和4年5月13日)
岸田内閣総理大臣「まず、児童手当については、児童手当法に基づき、父母その他の保護者が子育てについて第一義的な責任を有する、こうした基本認識に立っております。その上で、家庭等の生活安定に寄与すること、この二つの大きな目的を掲げて支給するものだと認識をしています。」
「そして、児童手当については、元々は昭和47年から所得制限が設けられていたわけですが、その後、様々な議論があり、結局、平成23年の民主党、自民党、公明党による三党合意に基づいて、現在の基準額960万円が合意されたと承知しております。制度の目的、あるいは支援方法に応じて判断されるものであると思っております。」
「そして、年収1,200万円以上の方々に対する特例給付の見直しの問題、これについてもご指摘ありましたが、これについては、子ども、子育て支援の充実を図る中で、長年の課題である待機児童問題の解決を図ることと併せてこれを行っているという事であります。要は、子ども対策全体の中で、子育て世帯への支援全体の中で、ニーズに対応してその充実を図るという内容であると認識をしております。」

以上答弁しております。
限られた財源の中、子育て支援、共働き支援、男女平等社会の実現等進めて行く上で、優先順位を決めなければならない、また財源確保は喫緊の課題ということと私は感じております。
近年「ふるさと納税」の普及による都心の地方自治体の税収減少には歯止めがかからず、本来入るはずの区の税収漏れは膨らむ一方です。令和4年度文京区は「ふるさと納税」による歳入の漏れを約30億円と見込んでいます。
この30億円があれば子育て世帯に一律7万円給付することが可能という計算になります。「ふるさと納税」に救われる自治体もあるわけですから返礼品競争が過熱するのもわかります。
問題は文京区が今後この税の歳入漏れをどのように補填していくのか、指をくわえて年々増える歳入漏れを見過ごすのか、対策を講じるのか。
現在の文京区の基金(特定の目的のため大衆や団体から募り資金を積み立てる区の財産)は年間1億円にも満たず、30億円の損出と比較すれば募集する基金は機能していないも同然であると私は考えています。目的を持った区民が理解し寄附したくなるような基金、子育て世帯への基金の拡充、高齢者、障がい者、スポーツ環境拡充への基金創設など内容の伴った基金の創設とその必要性を今後訴えていきたいと考えております。

2期目区議・佐藤ごういちの区議会日誌 No.8

文京区の「地域振興・まちづくり」に
支部が影響力を持つための取り組み(5)

文京区議会議員 東京不動産企画株式会社(東地区4班)代表取締役 佐藤豪一

それでは文京区に相応しい、都市計画審議会の構成委員とはどのようなメンバーなのでしょうか。
先ずは現状を見てみましょう。
現状では、区がキャビネットとして承知している①専門性のある大学の教授等3名、②区管轄の警察や消防等官公庁代表3名、③区議会議員7名、④公募区民3名の合計16名で構成されています。これを⑤区の職員の理事者(課長や部長クラス複数名)で運営しています。
この現状で重要な区内の都市計画を決定して良いのでしょうか、メンバーを考えてみましょう。
①のメンバーは専門性が高いも区から招致されていて区の意向を組む進行をします。
②のメンバーはそれぞれの立場で遵法性があるか考えますが、基本的には区の意向を組む進行に従います。
③問題は区議会議員であると思います。議員らは広く浅く様々な分野の諸問題に対処しますが、不動産や建築の専門性に乏しく①のメンバーの進行や⑤区の理事者の意見やお願いに流されやすい、対抗する知識が不足しているメンバーだと考えます。議員の名誉のために補足しますが、それぞれの案件においてしっかり自習し、第三者の意見を自分の意見の参考にしますが、それにしても、様々な意見に臨機応変に対応して独自の意見を自信をもって話すほどの知見はないと言えます。
④の公募区民に関しても選出は行政に興味のある一部の区民の中から区が選出する偏ったメンバーであり、選出の経緯も議会には報告されず、不透明です。
このような委員の構成で有意義な審議などできないと考えるのです。
私が思う、本当の区内の合意形成を取れるメンバーとは次の通りです。
①キャビネットは区(行政)招致委員1名、区民代表2名(区内産業団体1名、自治会(町会)や商店街等代表1名で審議会会長は3名より選出。
②についてはそのまま区管轄の警察消防等。
③については会派などの利害が難しいですが、5名いれば十分と考えます。
④については公募区民の現状では知識に乏しい私的な意見が多くキャビネットを困らせていることがあるので1名もしくは2名で十分であると考えます。
⑤については審議会には影響しないためそのまま。
そこで私の意見として3名から4名の区内産業・経済団体や自治会(町会)や商店会等の代表を入れ、それぞれの立場で団体の意見として話を伺うことにより、区民の立ち位置に近い意見、地域の特性や地の利を生かした未来に向けた区の都市計画決定をしていくべきであると提案しているのです。
私の提案では、既に①のキャビネットにも区民側の代表が2名入っています。さらに3名から4名の区内団体や自治会等の代表で委員が構成されることによりグッと区民との合意形成に尽くした都市計画審議会になると思いませんか?

文京区を日本一の自治体、日本一の「まちづくり」をするために私の議員活動は続きます。

2期目区議・佐藤ごういちの区議会日誌No.7

文京区の「地域振興・まちづくり」に
支部が影響力を持つための取り組み(4)

文京区議会議員 東京不動産企画株式会社(東地区4班)代表取締役 佐藤豪一

この10年で東京都特別区23区では都市計画審議会の構成委員に変化がありました。
それは、それぞれの自治体が、より区民の意見がしっかり反映される審議会を目指して、例えば区内の町会連合会、商店街連合会、産業団体等を招致していること。学識経験者として不動産団体や建築士団体等を招致しての構成委員に変化していることです。
これはまさに私が行政にこの7年間質疑を続けている事なのです。
では、何故文京区だけが構成委員に区内関係諸団体の代表を招致しないのでしょうか。
私が議会の委員会等での質疑に対して行政は明確な答弁を避けているようです。しかし必ず他の自治体の動向を調査しながら前向きに検討しますと言って7年が経過しているのです。2021年昨年は都市計画審議会構成委員改定の年でした。東京都特別区23区では昨年文京区以外全自治体が区内の各種団体から委員を招致しています。
これは文京区の行政にとってはまさか文京区だけが置き去りになるとは思っていなかったのではないかと思います。次回の委員改定は2023年の7月です。都市計画審議会の構成委員に宅建文京区支部が招致されるまで私の戦いは続きます。
都市計画審議会は都市計画をする上で大変重要な役割を担っています。

都市計画は「都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の整備及び市街地開発事業に関する計画」と定められています。都市計画で定めるものには、用途地域、地区計画、道路、下水道等があります。
都市計画審議会は「都市計画を定める際の都市計画案を調査審議」するため、法に基づき設置された機関であり、都市計画により、土地利用に制限が加えられるなど、区民生活への影響が見込まれることから、都市計画を決定する際には、区民、議員、学識経験者等から構成される都市計画審議会の審議を受けて決定することが大切、審議会の構成員は区民の代表として責任をもって審議に対応できる知識と経験、そして地域性がなければならないものと考えます。 つづく

2期目区議・佐藤ごういちの区議会日誌No.6

文京区の「地域振興・まちづくり」に
支部が影響力を持つための取り組み(3)

文京区議会議員 東京不動産企画株式会社(東地区4班)代表取締役 佐藤豪一

文京区では、10月14日の定例議会にて令和2年度(昨年)の決算特別委員会の審議結果が可決されました。
決算特別委員会では一週間に及ぶ審議の中で各会派の委員がそれぞれ項目ごとに質疑を行うのですが、私は都市計画審議会の項目について、毎年その構成メンバーについて質疑しております。
私の質疑の内容をお話しする前に、都市計画審議会の歴史について釈迦に説法とは存じますが簡単にご説明させてください。
1919年に旧都市計画法が定められ、その審議は国と都道府県で行われていました。都市計画の決定権限は、1968年に成立した新都市計画法により、原則的に国から地方公共団体へと移行し、この結果、地方に都市計画決定を扱う審議会が必要とされることになり、国、都道府県、地方自治体の3層構造になったのです。
また、地方分権が進み、国土交通省誕生後(2000年)、社会資本整備審議会(国)、都道府県都市計画審議会(都等)、市町村都市計画審議会(文京区等)となり、この「市町村都市計画審議会」の役割と委員の構成に対し、私が議員になり7年間ずっと文京区に対し苦言を呈しているのです。「市町村都市計画審議会」は従来の地方自治法に基づく市町村審議会は都市計画法の枠外にあり、都市計画地方審議会の事前審議としての性格のものでした。しかし、地方分権によって都市計画法に「市町村都市計画審議会」が位置づけられ、市町村が決定する都市計画はこの審議会を経ればよいこととされたのです。
このような区の将来を決定する審議会の構成は現在、学識経験者3名(専門的な知識を備える者)官公庁2名、(警察消防等)、議員7名、公募区民3名の合計15名です。私はこの委員の構成により区内の都市計画が決定されることに危機感を持っているのです。
それでは何故危機感を持っているのか、区に対して苦言を呈しているのか。
学識経験者は区の独断で審議会のキャビネットとして招致されます。当然議題に対し行政の意向や審議会の進行を事前に打ち合わせます。官公庁は警察消防等の公務員です。私が指摘したいのは議員、残りの議員と区民公募では前者に対するディベートに際し専門的知識に乏しく、行政の意向が通りやすくなる委員構成になっているのです。誤解のないように、行政はなにも区民を騙そうと考えている訳ではございません。行政の意向が通りやすいという問題点を指摘しているのです。
10年前東京都特別区23区では、都市計画審議会の構成委員が上記、文京区と何ら変わらぬ委員構成でした。しかし、毎年23区の動向を調査している私はこの数年で他区の「都市計画審議会」の委員構成が変化していることに気づいたのです。
つづく

特集『不動産業界における電子契約』〜デジタル社会形成整備法が2021年5月12日に成立

東地区1班 (株)タープ不動産情報 三浦孝志

近年、不動産取引に大きく影響される、デジタル社会の形成を図るための関係法律「デジタル社会形成整備法」が 2021年 5月 12日に成立しました。
デジタル社会形成整備法は宅地建物取引業者が守るべきルールを定めた、宅地建物取引業法の改正についても定めています。その内容は、現在は書面での交付が義務づけられている、「重要事項説明書と契約書を電磁的方法で交付することを認める」というものです。法律が施行されれば、重要事項説明書の説明から書面交付、契約の締結・契約書の交付まで、すべてオンラインで手続きが完結できるようになり、この電子契約の導入で不動産取引が大きく変わることになります。
今回はその不動産取引を電子化させる、デジタル社会形成整備法について説明します。

具体的にどのような法改正なのか?

電子契約の導入を促すデジタル社会形成整備法第17条では、宅地建物取引業法の一部を改正すると定めています。その内容は、不動産取引のルールについて、次の2つのことを変更するものです。

•重要事項説明書の交付方法
•契約書面の交付方法
これら2点が変更されると、不動産の売買・賃貸契約は、契約の締結から重要事項説明・書面の交付や受け取り、そして契約書の作成まで、すべての手続きをオンラインで行うことが可能になります。

【図1】に、変更点について具体的にまとめました。

いつから実行されるのか?

デジタル改革関連法の1つである「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」が 2021年5月12日に成立し、9月1日から施行されました。ただし、宅地建物取引業法に係る改正については公布(2021年5月19日)から1年以内の施行とされているため、2022年からの施行になる予定です。今後は、宅地建物取引業法などの法律を対象に「押印撤廃・書面の電子化」のための法改正が行われます。(重要事項説明を伴わない合意書や駐車場契約などは今でも電子契約は可能です。)

■電子契約のメリット

1.業務効率化が出来る

電子契約の導入メリットは締結業務の簡素化と締結スピードが向上することによる業務効率化です。書面交付が必要な取引では例えば契約が必要になった際、執務室へ戻り、必要書類を用意した後に印刷・製本をかけ、返信用封筒とともに封書して投函を行うという作業が発生していました。そして相手先からの返信を待つのにまた数日必要になります。
電子契約であればやり取りをすべてインターネット上で行うことが出来ます。そのため面倒な製本や封書作業は省けるほか、契約書の郵送が必要なくなるためタイムリーな締結が可能になります。

2.印紙税がかからない

電子契約は印紙税法上の課税対象に当たらないため、収入印紙をつける必要がありません。そのため売買契約などで数万円かかっていた印紙代が不要になるため、年間複数の契約を行っている企業は大幅なコスト削減が可能になります。

3.コンプライアンスが強化される

電子契約はインターネット上で締結を行うため、締結

【特集】不動産業界における電子契約

作業がどの段階にあるのか、どこで契約が止まっているのかなどの状況が一目で分かります。また締結が遅れている契約もサービスによってはリマインド通知が行われるため、締結漏れに不安はありません。
また締結後の契約書もクラウドで管理されるため、キャビネットなどの保管スペースが必要なくなり、インターネットに接続できるデバイスがあれば内容の確認も行えます。更新漏れの契約の発生を防ぐとともにサーバーで厳重に保管されるため紛失リスクも低減されます。

4.郵送、交通費の削減

契約を締結するとき、売主と買主が直接会って契約する場合などには交通費が発生しますし、郵送で行う場合には郵送費が発生しますし日数もかかります。しかし、電子契約の場合にはオンライン上でできるため交通費も郵送費も発生しません。特に建物賃貸借契約のように短期間で内見、申込、審査、契約締結、入居といったプロセスを進めるようなケースでは大変便利になるでしょう。

5.管理がしやすくなる

紙での契約の場合、保管場所の確保が必要になり、紛失するリスクもあります。それに対して、電子契約の場合にはデータで情報を管理するので、保管場所に困ることがありません。

■電子契約のデメリット

1.高齢者など対応できない人がいる

高齢者の場合、パソコンなどの操作が苦手という人もいるため、全てを電子化することは難しいという問題があります。

2.サイバー攻撃などのリスクがある

電子契約ではオンライン上で情報をやり取りするため、サイバー攻撃により情報が流出したり重要データが破損したりする危険があります。そのため、しっかりセキュリティ対策は行いましょう。

3.インターネット環境やパソコンなどの機器が必要になる

電子契約を行う場合には、パソコンやスマートフォンなどのデバイスやインターネット環境の整備が必要です。

4.通信費やプロバイダ料金が発生する

電子契約を行う場合、郵送費や交通費はかかりませんが、電気代や通信費、プロバイダ料金などが発生します。また、事業者には電子契約システムの導入費用も発生します。

電子署名って原本証明できるの?

不動産取引には悪意はなくても事後トラブルが発生して裁判になんてことも可能性としてあります。その際に電子契約で署名された文章は従来の記名押印された紙での契約と同じように原本をどの様に証明するのか?
電子署名とは、印影や手書き署名に代わって電子ファイルの作成者の証明をしやすくするとともに、そのファイルが改変されないようにするための技術的措置をいいます。
書面を用いた契約では、押印した印影や手書きの署名を施すことによって、文書の内容が本人の意思であることを証明できるようにし、朱肉やインクによって本人以外がその文書を改変しにくい状態にします。これは、一般に印鑑が本人だけが保有しているものであることが推定されること、また手書きの署名であれば筆跡鑑定で本人が推定されることを前提とした仕組みです。
一方、電子ファイルを用いる電子契約では、ファイルそのものに印影や署名を施すことはできません。もちろん、デジタルな印影や署名を画像として上書きすることはできますが、デジタル画像はコピーが容易であるため、本人の意思によることを証明することは出来ず、意味がありません。そのため、別の手段によってその内容が本人の意思であることを証明できるようにする必要があります。その手段が公開鍵暗号方式と呼ばれる暗号技術です。また、電子署名法が平成13年(2001年)4月1日から施行され、電子署名が手書きの署名や押印と同等に通用する法的基盤が整備されました。
その電子署名法では、電子署名の認証を業として行う認証業務について、一定の基準を満たした企業が、国の認定を受けることができ、その認定を受けた業者が電子署名の本人性と非改ざん性を認証することで原本と同じ効果を持たすというものです。つまり、国の認証を受けた民間機関のシステムを活用して電子契約を行い。その認証機関が原本証明してくれるということです。

まとめ

電子契約は海外では日常で行われており、今後は不動産取引においてもこの電子契約が活発になっていくことでしょう。重要事項説明書や契約書への電子化は最後のハードルが残るものの、2022年 5月までには実現する見通しです。現実的には国から認証された民間企業のシステムを活用するIT企業などが、私たち不動産業者が使いやすいようなシステムを開発し、そのシステムを活用していくというのが現実的なようです。
数年後、全ての不動産取引が電子化になり、会ったこともない方同士の仲介をWEB上で取り交わすなんて日も近いかもしれません。

2期目区議・佐藤ごういちの区議会日誌No.5

文京区の「地域振興・まちづくり」に支部が影響力を持つための取り組み(2)

文京区議会議員
東京不動産企画株式会社(東地区4班)代表取締役 佐藤豪一

『なぜ文京区の「まちづくり」のプロセスには問題があるのか。』
現在の文京区行政の「まちづくり」を始めとする都市計画全般、それらを決定していくプロセスに問題点があると考える、前号ではそう問題提起をして締めくくりました。文京区が「まちづくり」のための計画を策定するケースは何通りか考えられます。それは「行政主導によるまちづくり」と「住民主導によるまちづくり」です。行政が主導する場合、先ずは所管が「地域」や「地区」の「まちづくり」をするエビデンス(証拠・根拠)を元にその対策の必要性を話し合います。そのエビデンスは事件や事故の対策や、予防であり、生活環境向上であり、地域振興であり、緊急時の対策であります。
行政は素案がまとまると議会の常任委員会(「まちづくり」の場合は建設委員会)にはかり、常任委員の議員から質疑や意見、要望を聞きます。その上で修正や変更すべきことは行い構築され予算化されたものが、委員会、議会で諮られ採択されたものが事業となるのです。
事業ではその事業計画の「地域」のステークホルダーの参加を集い、ワークショップ(注1)を開催します。その中で抽出された意見や要望など、取り入れられるものは事業として具現化されたりします。
住民が主導する場合、地域の課題や夢を地域の方々が共有し、そのエビデンスを元に解決策を住民同士が話し合います。住民同士で「まちづくり」についての情報やワークショップ開催についての手法に自信が持てない場合、行政に「コンサルタント」の派遣を依頼することが可能です。そうして行われるワークショップ等で「地域・地区」の「まちづくり」、課題や夢を達成するためにやらなくてはならないことが見えてくるのです。
課題や夢など見えてきたことを「地区計画」にしていくた
めに行政の協力のもと、素案をまとめ、「地域」住民の大多数の賛同を得たものを「地区計画」として、建設委員会、都市計画審議会などで審議します。「地域」住民の大多数の賛同を得るためには、ワークショップにできるだけ多く参加していただけるように呼びかけます。これらのように「まちづくり」は進められて行くのです。では、なぜ文京区の「まちづくり」のプロセスには問題があるのか。それは「まちづくり」のワークショップの中に「宅建業協会」として入り込んでいないからです。勿論会員のみなさまは地域に根付いた活動をされている方が多いので、「宅建」としてではなく、地域の様々な役職としてワークショップに参加されているかもしれません。しかし、参加していない場合もあるのです。ワークショップに参加する地域のステークホルダーからは意見や要望、質疑は引き出せても、その地域の「宅建」会員は、更に柔軟で客観的で合理的な「まちづくり」に有益な提案、意見を述べられる存在であると思っているからです。
その「宅建」会員が「まちづくり」のワークショップに常に参加をお願いされるようにならなければ、文京区のよりよい「まちづくり」は実現できないと考えます。
さらに気を付けたいのは、コンサルタント会社と言え、「事業」の「地域」について詳しいわけではなく、その「地域」が解決したい課題や夢、目標に沿った他地域の事例を調べて持ってくるだけのプレゼンテーションも多く見られ、コピーペーストのような事業を展開することによる事業そのものの失敗例も非常に多いことです。やはり、「まちづくり」は「地域」のステークホルダーの情熱と情報、見地が不可欠なのです。我々「宅建」会員の多くはそのど真ん中にいる場合が多く、常に「まちづくり」のど真ん中にいるべく取計らいを行政にされるべき団体であると考えています。

(注1)ワークショップ:ある主題での(参加者が知識を分け合う)研究集会。【出典:Oxford Languages】

Withコロナ特集『データで振り返るコロナ禍での不動産市況』

2020年から経済に大きな影響を与える新型コロナは世界を席巻し、多くの国で感染者数、死者数を爆発的に増加させ、各国がロックダウン(都市封鎖)といった厳しい措置を取っている中、欧州や米国の大都市では不動産取引に急ブレーキがかかり、ニューヨークでも中心地よりも都市郊外へ人々が大移動する流れが発生しました。当然郊外の不動産価格が高騰している一方でマンハッタンでは賃貸住宅が過去最高の空室率となっています[図1]。

そこで、今回は首都圏におけるコロナ禍での影響がどのように及んでいるかを報告していきたいと思います。

首都圏新築マンションの動向

2021年4月度の新築マンションの動向としては発売44.9%増の3103戸、契約率73.6%、平均価格が 6330万と高値で需給ともに好調でした[図2,図3]。

首都圏中古マンションの動向

2021年1月度の首都圏中古マンションの価格は連続5か月上昇となり新築と同様に好調でした[図4]。

全国不動産価格の動向

国土交通省の公示地価(2021年1月1日時点)によると新型コロナの影響は大きく、商業地、工業地、住宅地の全国平均では6年ぶりに 0.5ポイント下落となりました。但しリーマンショックや東日本大震災時は2.6~4.6%の大幅な下落から比べると下落の幅がわずかです。特に下落が大きかったのは三大都市圏(東京、名古屋、大阪)の商業地で平均1.3%下落。これは新型コロナの拡大によって訪日客が大きく減少したことがあげられるようです。

コロナ禍で見られる都市近郊の不動産価格の新たな動向

新型コロナの影響で都市周辺の房総地区、湘南地区、熱海地区、軽井沢地区など一部の地域では成約件数が増加し、在庫が他地区に比べても激減しています。これはテレワークでストレスの少ない空間を探し広さや自然を優先しての不動産購入が進んだことが原因とされています。しかし、量的データはないものの、地元不動産業者の話では一旦落ち着いたとの報告も聞いています(熱海不動産業者)。

今後の予測

首都圏の不動産価格は日経平均株価とほぼ同じ曲線をたどることがデータから読み取れます[図5]。この日経平均株価からも不動産市況は順調に上昇しています。不動産情報検索サイトによれば、昨年4~5月の緊急事態宣言中には検索範囲が郊外や地方物件へと拡大し、情報閲覧や資料請求なども増加したものの、緊急事態宣言が解かれるとその傾向も弱まっていったとのこと。むしろ「密を避けるため公共交通の利用を極力避けたい」「通勤時間のムダを削減したい」などの理由から、都心の比較的高額な物件の取引が活発化する傾向にあるようです。
昨年の緊急事態宣言中には日経平均株価も一時、1万6000円台へと大暴落し、各地の不動産取引数も前年比40~50%減となったものの価格に大きな変化は見られませんでした。東京都心5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)などの中古マンション成約平米単価はここまで一貫して上昇基調にあります。
また他の先進国と比べて日本の都心部における不動産は相対的に割安感があり、コロナの影響が小さく海外投資家にも注目されており、今後分かっているだけでも兆円単位のマネーが流入する見込みとの話もあります。
量的なデータこそありませんが、史上最高値を更新し続けているビットコインやイーサリアムといった仮想通貨を売却して不動産購入の頭金にしたという話もちらほら聞くようになりました。加えて歴史的な低金利や住宅ローン控除を背景に、不動産の価格上昇は継続する可能性が強い傾向にあります。一方で2022年に満期を迎える「生産緑地」が宅地化され多くの農地が宅地として市場に登場する可能性があることと、長期的に見れば人口・世帯数減が必至な日本においてどの様な不動産価格の傾向になるか注視したいと思います。

[図1]コロナ禍でのマンハッタン賃貸入居率グラフ
[図2]マンション契約率
[図3]新築マンション販売件数
[図4]中古マンションの在庫と成約単価
[図5]日経平均株価と都心3区の関係