10年間の活動記録〔平成18(2006)年度~27(2015)年度
目次
1. 3.11東日本大震災に対する支援活動
─特別委員会を設置し対応
2. 文京区「すみかえサポート事業」に参画
─お年寄りなど住み替え困難者への住居斡旋活動を開始〈平成18(2006)年4月〉
文京区「すまいるプロジェクト」に協力〈平成27(2015)年4月〉
文京区の創業支援事業に係る不動産情報の提供について
区と協定書を調印〈平成28(2016)年3月〉
3. 文京区との連携事業・その他の社会貢献・PR活動
NPO法人東京ジュニアオーケストラソサエティ定期演奏会を後援〈平成24(2012)年8月〉
「無料不動産相談会」毎日開催スタート
冊子「ハトマーク不動産相談に行ってみよう」を制作〈平成25(2013)年4月〉
根津・千駄木「下町まつり」に無料不動産コーナーを出展〈平成25(2013)年10月〉
東京大学と留学生・外国人研究者賃貸住居あっせん提携制度を開始〈平成27(2015)年1月〉
─特別委員会を設置し対応
平成23年3月11日(金)
地震発生
平成23年3月11日14時46分18秒、宮城県牡鹿半島の東南東沖130km、仙台市の東方沖70kmの太平洋の海底を震源とする東北地方太平洋沖地震が発生した。地震の規模はモーメントマグニチュード(Mw)9.0で、発生時点において日本周辺における観測史上最大の地震である。
この地震により、場所によっては波高10m以上、最大遡上高40.1mにも上る巨大な津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害が発生した。また、巨大津波以外にも、地震の揺れや液状化現象、地盤沈下、ダムの決壊などによって、北海道南岸から東北を経て東京湾を含む関東南部に至る広大な範囲で被害が発生し、人々の生活に必須な、いわゆるライフラインが寸断された。
被害
平成28年(2016年)3月10日時点で、震災による死者・行方不明者は18,455人、建築物の全壊・半壊は合わせて400,326戸が公式に確認されている。震災発生直後の避難者は40万人以上、停電世帯は800万戸以上、断水世帯は180万戸以上等の数値が報告されている。
福島第一原子力発電所
地震から約1時間後に遡上高14-15mの津波に襲われた東京電力福島第一原子力発電所は、全電源を喪失。原子炉を冷却できなくなり、1号炉・2号炉・3号炉で炉心溶融(メルトダウン)が発生。大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故に発展した。それによる風評被害は、広く不動産業界に影響を及ぼした。
3月24日(木)
第1回支部臨時理事会を開催
東日本大震災に対する文京支部の取り組みについて協議し以下を決定。
○決定事項 「東日本大震災支援特別委員会」を設置し支援をすることに。
○委 員 長 中村 哲也 / 実用ライフサポート㈲
副委員長 井上 慶太 / ㈱明治コーポレ―ション
中 晶紀 / 春日土地㈱
徳山 明 / ㈱尚建
○ 社会貢献事業費より文京区を通じて100万円、宅建本部を通じ25万円、合計125万円の支出を決定。
○4月1日付、支部会員へ義援金のお願い文書の発信を決定。
3月29日(火)
成澤廣修文京区長を訪問し義援金100万円を手渡す
原支部長、寺村常任相談役(本部副会長)、尾川副支部長、新井副支部長、小能副支部長、奈良部専務理事、佐藤(豪)総務副委員長の7名により成澤文京区長へ義援金100万を手渡す。この義援金は文京区より区内の町会、自治会、各種団体、区民の義援金と合わせ岩手県、宮城県、福島県に贈られた。
4月1日(金)
支部会員へ直接「義援金のお願い」文章を発信
5月9日(月)
第1回常務理事会で義援金募集結果を報告
「義援金のお願い」によりご寄付(合計66万1,720円)をいただいた74社の会社、個人を紹介。
「義援金のお願い」で集まった寄付金での支援方法検討を開始
東日本大震災特別委員会は「義援金のお願い」で集まった善意の寄付金を活用した有効的な支援方法について以下のテーマに従い検討を開始する。
テーマ1 「赤十字に送っても被害者に義援金が届かない?」ならばどうすればいいの?
テーマ2 「赤十字以外への義援金」どこにおくればいいの?
テーマ3 「被災地の子どもたち」を“直接”支援する方法はないの?
テーマ4 「スピード感・即決力」をもって支援するため理事会の承認をいただく。
10月12日(水)
福島県南相馬市役所を訪問。支援物資と支援金を大甕小学校の子どもたちの元へ
東日本大震災特別委員会は検討を重ねた結果、下記の支援物資を学校再開の準備をすすめている大甕(おおみか)小学校(福島県南相馬市原町区の高台に位置し、学校そのものは津波の影響は受けないものの、学区内は津波の被害と福島第一原子力発電所の「立ち入り禁止区域」に指定されるなど大きな被害を受けた地域の学校)へ寄贈することに。第一の訪問先である南相馬市役所では桜井勝延市長、教育委員会教育長、大甕小学校校長先生、小川市議会議員へ支援の報告を。そして、支援を事務的に届けるのでなく、私たちの「心」をお届けするために、自らトラックで大甕小学校の子どもたちへ「支部長メッセージ」「支援物資」「支援金」を届ける。
≪支援内容≫
1.支援物資
SHARP 32インチ液晶テレビ 12台
日立 掃除機 12台
その他付属備品
2.支援金 現金220,000円
支部事務所へ搬入された物資
平成24年5月31日
支部「震災支援活動」に文部科学省から感謝状が届く
原前支部長の「義援金のお願い」から始まった支援活動を受け、被災翌年5月、文京区支部宛てに「文部科学省生涯学習政策局長」より支部会員の皆さまの温かい気持ち、心遣いに対して感謝状(写真)が届く。
コメント
中村哲也 東日本大震災支援特別委員長(当時)
私達にできる事はないのか? 当時の青年会メンバーからそのような声があがってきた。青年会長であった私が、そのまとめ役に任命された。
被災された方々、支援したいと思う善意。その善意を直接届けたい。その思いから「南相馬市立大甕小学校」に教室用のテレビ12台と掃除機12台、支援金をレンタカーに積み込みお届けしました。手を握り、お礼をおっしゃっていただいた校長先生、教頭先生の顔を今でも鮮明に覚えています。
今、九州地方で大きな地震が発生し、日を追うごとに被災状況が拡大しています。私達は常に「助け助けられ」の心を忘れてはならない事。改めて思い返しています。
〈平成18(2006)年4月〉
文京区「すみかえサポート事業」に参画
―お年寄りなど住み替え困難者への住居斡旋活動を開始
平成18年4月、文京区は連帯保証人の確保ができないために区内民間賃貸住宅への住み替えが困難な方が、区と協定した民間保証会社が提供する債務保証サービスを利用できる『すみかえサポート事業』を開始した。
制度を利用できるのは、高齢者世帯、障害者世帯及びひとり親世帯のいずれかに該当する方で、保証内容は、滞納家賃、残存家財等の撤去費用、訴訟費用、原状回復費用等。
文京区都市計画部住宅課住宅課長から、この制度により「入居した方の家賃の滞納などについての家主さんや不動産会社さんの不安を軽減し、高齢者等の方々の住み替えがより円滑なものになるとともに、区内の住宅ストックを有効に活用することが可能となります。この事業実施にあたって、まず大切なことは、実際に物件を扱い、家主さんと入居される方との橋渡しをされている不動産会社さんのご理解、ご協力をいただくことだと考えています」と、協力要請が支部になされた。
支部としては、制度の詳細を支部会員に周知・伝達するとともに、文京区役所が主催する「住み替え相談会」(18年度は計4回開催)に相談員を派遣し、相談に応じた。
コメント
沼田 守康 相談委員長(当時)
文京区からの住居取得困難者等に対する斡旋協力要請はこれ以前からあり、支部でも「住宅協力委員」「住宅斡旋委員」という名称で、一部会員に委嘱してきました。この年から民間保証会社による保証制度を設け、区があらためて要請してきたものと思います。この年の一番の思い出は、中央ブロック主催の不動産相談会を、文京区支部が担当で初めてシビックセンターで開催したことです。当日、私は入院していましたが、文京区広報課と話し合いながら段取りだけは終えていましたので、後は原さん(元支部長)にお任せしました。当日の会計事務は新井さん(現支部長)にお願いしました。問題もなく盛大にできましたとのことでした。
〈平成27(2015)年4月〉
文京区「すまいるプロジェクト」がスタート
「住まいの協力店」登録に協力
平成27年4月から文京区福祉課において「すまいるプロジェクト」がスタートした。
「すまいるプロジェクト」は、今まで区の住宅課などから依頼があった高齢者への住宅斡旋をもう少し踏み込んで、また貸主や管理不動産会社のリスクをさらに取り除きながら、発展させた内容になっている。
高齢者・障がい者・ひとり親世帯に対しての住宅供給で、貸主に対しては、毎月1万円を区が支払い、プラス室内の内容(エアコン設置済みやペット飼育相談可など)がある場合に、さらに加算して区が貸主へ支払う(加算上限1万円)。不動産会社へは、区より謝礼金が別途支払われる。
また、今まで問題になっていた入居者が室内で倒れる、または倒れたまま発見が遅れるなどの問題に対し、ライフサポートアドバイザー(LSA)が毎月1~2回ほど、各入居者へ電話や訪問で状況を確認してフォローする。また緊急通報装置(ALSOK)を区負担にて設置し、入居者が緊急の場合には、直接セキュリティー会社へ連絡することができる。
よく勘違いされるが、この制度は生活保護をターゲットにしたプロジェクトではなく、お金は持っているが住み替える場所が少ない高齢者への対策になる。ひいては、それが現在シルバーピアなどの高齢者施設に入居している方で、本当にそこでの住まいが必要ではなく、民間の住宅でも生活が可能の方に、このプロジェクトの住居に入居して頂き、本当に高齢者施設などへの入居が必要な人が、施設に入れるということにも繋がる。
登録されている物件については、必ずしも高齢者などが入居しなければならないわけではなく、まずは一般の方々に募集している物件を登録して頂き、先に学生さんなど関係のない方で部屋が決まった場合は、募集が打ち切りとなるだけある。
登録住宅の条件やそれに該当する人には一定の条件があるが、それほど厳しいものではない。またこの制度は「すまいる住宅登録店」の不動産会社のみ対象となり、平成28年度より当支部では16店舗(他団体が9店舗)が登録店となった。
対象物件については、文京区福祉課のホームページで現在募集中の物件が閲覧できる。
コメント
奈良部年緒 企画事業担当委員長
文京区では大学や病院も多く、学生や若い方向けの賃貸が多いので、それほど各不動産会社や貸主にとって大きな問題にはならないかもしれませんが、これから間違いなく高齢化社会がやってきます。高齢者等の賃貸住宅の上手な活用方法を考えなければなりません。このプロジェクトは全国でもそれに先駆けた内容となっていますので、全国的に注目されているプロジェクトといえます。
〈平成28(2016)年3月〉
文京区の創業支援事業に係る不動産情報の提供について区と協定書を調印
宅建文京区支部は平成28年3月1日、文京区と起業希望者に対して不動産に係る情報を提供すること(「文京区創業支援事業」)について協定書に調印した。協力の内容、運用の仕方は下記の通り。なお、この協定の有効期間は平成28年4月1日から平成29年3月31日まで。
【協力内容】
文京区経済課で実施する『文京区創業支援セミナー』(区内で創業を希望する方、区内で創業後5年以内の方を対象にした創業支援セミナー※)参加者のなかで、希望する者に対して区と宅建文京区支部が連携して不動産物件情報を提供するもの。
※ 例年、年間50 ~ 70人程度が参加し、創業に至るのは5 ~ 10人程度。入門編(10月開催予定)、実践編(10・11月開催予定)、テーマ特化編(7・8月開催予定)。
【運用の仕方】
① セミナーの際に受講生に協定に基づく不動産情報の提供サービスがあることをお知らせする。受講生を限定したサービスとし、ホームページ等では周知しない。
② 希望する受講者から申込書を提出してもらう。適切な情報提供を行うため、希望地域やその他の条件など極力具体的に絞るよう誘 導する。
③ 区から宅建文京区支部にFAXで照会する。
④ 照会内容について、宅建文京区支部から所属会員に照会する。
⑤ 該当情報がある所属会員は直接区に回答をFAXで送信する
⑥ 回答のあった情報を区から申込者に伝える。
⑦ 申込者が回答のあった不動産会社に問い合わせる。 以上
コメント
新井浩二 支部長
文京区では区内で起業を希望する方などを対象に「創業支援事業セミナー」を開催しており、年間50 ~ 70人程度の方が参加しているそうです。セミナー参加者のうち、希望者に対し不動産情報を提供することについて、文京区と当支部は協定を締結しました。文京区から情報提供の依頼がありました場合には、会員各位のご協力をお願い致します。
〈平成24(2012)年8月〉
NPO法人東京ジュニアオーケストラソサエティ定期演奏会を後援─子供の未来に夢を託して
平成24年8月19日(日)、文京シビックセンター大ホールで開演された第13回定期演奏会から文京区支部は社会貢献事業の一環として後援することになった。NPO法人として特定のスポンサーに偏らず、音楽を通して青少年の育成を目指す東京ジュニアオーケストラソサエティ(T.J.O.S)の趣旨に賛同しての支援活動である。
同オーケストラは本部を文京区内におき、小学生から大学生までが参加し、その演奏の完成度には定評がある。以後、毎年、後援を続けている。
コメント
綱島正寛 元・広報委員長、監査役
一見、何の関係も無いかのような音楽と不動産。そこにはリズム感、ハーモニー、テンポ、チームワーク、コミュニケーション、呼吸、健康管理など全てが共通項と言えます。
宅建文京区支部も音楽を通し学ぶことがあります。このT.J.O.Sのこれからの活動に着目し、ここから巣立つ有為な人材の活躍ぶりを参考に、宅建文京区支部の発展に生かすことがT.J.O.S
の支援活動と言えます。
この東京ジュニアオーケストラソサエティの団員の募集を最初に呼びかけたNHK交響楽団コンサートマスター篠崎史紀氏は語っております。
『人間は可能性のかたまりです。教育educationとは、educe=「能力を引き出す」という言葉に由来します。個人の可能性を引き出すこと、そこに方向性を与え導く事=instruction、この二つが一体となって初めて教育というものが成り立つのではないでしょうか。』
この理念は不動産業界も大いに参考にしたいものです。
〈平成25(2013)年4月〉
「無料不動産相談会」毎日開催スタート
冊子「ハトマーク不動産相談に行ってみよう」を制作
消費者保護推進委員会は、平成25年度から一般消費者を対象とした「無料不動産相談」を、平日、毎日受け付ける制度をスタートさせた。事前に電話連絡をいただき、相談日時はそのつどご相談のうえ決定する。この制度を告知するため、冊子「ハトマーク不動産相談に行ってみよう!」を制作、会員会社に配布し店頭で一般消費者に告知するとともに、区内で開催のわんぱく相撲文京区大会や根津・千駄木「下町まつり」などで来場者に配布した。
〈平成25(2013)年10月〉
根津・千駄木「下町まつり」に無料不動産相談コーナーを出展
消費者推進委員会は、平成25年10月19日(土)、20日(日)の2日間、根津神社で開催された第15回根津・千駄木「下町まつり」に相談ブースを初めて出展、「無料不動産相談会」を実施した。
2日間で延べ12名が出向し、不動産相談に応じるとともに、不動産協同組合から購入した「ハトさん」マーク入りのクリアファイルなど販促品に、支部で作成した冊子「ハトマーク不動産相談に行ってみよう!」をセットして来場者約1,000名に配布した。
下町まつりの行われる10月の日曜日は宅建試験と重なることも多く、要員確保に苦労するものの、この年以降、毎年ブースを出展している。
コメント
佐藤豪一 元・消費者保護推進委員長
不動産に悩みを持つ方が、効率的に気軽に無料で不動産相談をできることを目指し、完全予約制で支部事務所を活用し、今の「不動産無料相談」を始めました。また、「下町まつり」では多くの方がブースを訪れ、PR冊子も配布でき、認知度アップに貢献しています。
〈平成27(2015)年1月〉
東京大学と留学生・外国人研究者賃貸住居あっせん提携制度を開始
平成27年1月29日(木)、文京区民センターで文京区支部消費者保護推進委員会と東京大学の共催で「東京大学留学生・外国人研究者賃貸住居あっせん提携制度」の説明会を開催した。
この制度は東京大学留学生・外国人研究者が賃貸借契約から部屋明け渡すまでの間、リフォーム費用、敷金の返却、習慣の違い、日常のルール等で、トラブルに巻き込まれることが度々発生しているため、留学生や研究者の負担を減らすには不動産業者の協力が必要とのことで、東京大学より文京区支部に相談があり、消費者推進委員会がその担当部署となった。
佐藤消費者保護委員長、新井支部長、幹事会と東京大学との間で契約書、重要事項説明書、賃貸住宅入居保証書等の書式内容を説明するための英文訳や、どのようなかたちで進めていくかの協議を重ねてきた。
説明会では東京大学より留学生の現状についての説明が参加者会員になされ、参加会員は 側から見た懸念材料・体験談をまとめ発表後、東京大学へ参考資料として提出した。
コメント
河野勝之 消費者保護推進委員長
平成26年、東京大学国際学部留学生・外国人研究者支援課より文京区支部に協力依頼があり、当時、佐藤豪一消費者保護推進委員長を中心に東京大学との意見交換を積み重ねて、契約書式を全宅連賃貸借契約書に統一し、それに英文訳を添えて契約書、重要事項説明をするというスタイルが出来上がりました。あっせん提携制度説明会に参加した会員業者と東京大学とで様々な問題点について意見交換し、20社があっせん提携店となりました。運用から約1年、東京大学から「本制度を活用した契約は12件有りました」と報告を頂いております。消費者保護推進委員会としては、本制度の充実を図っていきます。