50th anniversary
(文京区支部創立50周年記念特集)

支部創立50周年にあたって
諸先輩のご努力に深く感謝いたします

公益社団法人 東京都宅地建物取引業協会文京区支部
支部長 新井 浩二
 東京都宅地建物取引業協会文京区支部は、平成27年4月28日に創立50周年を迎えました。昭和40年 4月28日に支部会員142名で誕生し、初代支部長に 八木沢清氏が就任されました。文京区では、昭和31年に文京宅地建物取引業協同組合が設立されており、文京区支部報も同年12月に第1号が発行されておりましたので、昭和40年4月28日の文京区支部誕生は順調に進められたようです。
 その後昭和44年、2代支部長に脇坂浩治氏が就任され10月からは街頭不動産相談を開始し区民の相談を受け付けました。昭和46年3代支部長に藤田精一郎氏が就任され、翌年文京区役所の要請で区営不動産相談に参画を開始しました。昭和48年「文京同志会政治連盟」を結成しました。昭和49年4代支部長に脇坂浩治氏が再任され10月に無料街頭不動産相談所を文京公会堂前に開設しました。昭和51年5代支部長に藤田精一郎氏が再任され、昭和53年東京都不動産政治連盟会長に就任、業界の社会的地位向上、政策要望の実現を図りました。昭和57年6代支部長に小林眞氏が就任され、不動産情報のOA機器対応、レインズ対応等を行いました。昭和63年7代支部長に後藤晃氏が就任され、平成2年に支部事務所にレインズ対応型パソコンを導入しました。平成3年8代支部長に沖田丈謹氏が就任され、翌年10月「文京宅建同志会政治同盟20周年記念式典」を行いました。平成6年9代支部長に後藤晃氏が再任され、翌年2月に発生した阪神大震災に対し、義援金100万円を文京区長に寄託しました。平成9年10代支部長に寺村光司氏が就任され不動産情報のOA化のため、支部事務所にウインドウズ対応パソコンを設置しました。平成18年文京区役所の子育てスマイリー事業に参画、お年寄り、一人親他の住み替え困難な方への住居斡旋活動を開始しました。同年寺村支部長は都宅協本部専務理事に就任され協会全体の運営にも携われました。平成20年11代支部長に原晏孝氏が就任され公益法人化への準備を行いました。平成23年3月11日東日本大震災発生。被災地への支援活動の詳細は、後掲「10年間の活動記録」の通りです。
 平成24年4月1日、都宅協は公益社団法人に移行、平成24年12代支部長に奈良部宏氏が就任され、支部の「無料不動産相談」を毎日開催することにしました。また、文京区社会福祉協議会に寄付を開始しました。私は平成26年13代支部長に就任させていただきました。平成28年3月31日現在の支部会員数は251名です。
 ここに50年間を振り返り、数多くの諸先輩のご努力により文京区支部の今日がありますことを深く感謝したいと思います。創立50年に当たり、公益社団人として一般消費者の利益の保護と人材育成を基本として支部運営の整備と合理化、効果的な支部事業の執行を行うと共に行政機関への協力や事業参画をさらに深めてまいります。今後業界を取り巻く環境はますます複雑化し不動産取引の新業態の出現や、民法改正、TPPなど新たな対応が求められます。このような諸問題に対し会員の皆様と手を取り合って新しい時代に一歩前進する支部運営を心がけて鋭意努力いたしますので、今後とも皆様のご協力を重ねてお願い申し上げます。


支部創立50周年をお祝いして
文京区長 成澤 廣修

 東京都宅地建物取引業協会文京区支部がめでたく50周年を迎えられましたことを心からお慶び申し上げます。
 また、貴支部が今日の繁栄を迎えられましたのも、ひとえに歴代の支部長様、役員の皆様を始め会員及び関係者の皆様の並々ならぬご努力の賜であり、衷心より敬意を表する次第でございます。
 本区では、貴支部のご協力のもと、昭和47年から区民の不動産取引の安全を図るため「不動産相談事業」を、また、昭和52年からは、高齢者世帯への民間住宅入居あっせんを開始し、順次、ひとり親家庭、障害者世帯に対象を拡大し、入居住宅の確保が円滑に行えるよう住宅あっせん事業を実施しております。40数年の長きにわたり多くの区民に喜ばれ適切に事業が運営されておりますことに、改めて貴支部の変わらぬご尽力、ご協力の積み重ねの大きさを実感し、厚く御礼申し上げる次第でございます。
 貴支部が創立された昭和40年、文京区の人口は、約25万人でありました。その後、減少し16万人台まで落ち込みましたが、平成10年後半からは、増加傾向に転じ、平成28年3月の人口は、約22万人で、この3年間だけでも1万人以上増加しており、まちの一層の賑わい・活性化を期待しているところでもあります。
 都心の人口増加は、都市回帰志向、地価等様々な影響によるものの、文京区は都心にあっても緑が豊富で、大学を始め教育機関・文化施設・史跡等が多く、教育・福祉等のサービスが充実しているほか、刑法犯の認知件数が少ないなど、安全・安心して住めるまちとして良好な環境が整備されており、多くの方が住まう地として文京区を選択される要因になっているものと確信しております。加えて、文京区の地域特性を踏まえ、多種・多様なニーズに応じた良質な住宅等不動産を適切に管理・提供されている貴支部皆様の日頃のご活躍、ご努力の成果でもあります。
 今後の更なる高齢化に伴い、本区は、介護が必要になっても住み慣れた地域で暮らし続けられることができるよう、すまい、医療、介護、介護予防、生活支援を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築を推進しているところです。
 「地域包括ケアシステム」のすまいにおける、本区の高齢者等の住宅施策については、平成27年4月にスタートした「文京すまいるプロジェクト」において、高齢者等の住まいの確保と住まい方の支援を行っております。住まいの確保におきましては、「文京住まいの協力店」への登録や住み替え相談会の実施等、住宅あっせんについて引き続き貴支部会員の皆様の多大なるご協力をいただき厚く御礼申し上げます。
 また、本年3月からの「文京区創業支援事業」にかかる不動産の情報提供等については、今一層のご指導、ご協力をお願い申し上げます。
 最後に、貴支部が、この記念すべき50周年を契機に今後、ますます発展されますよう、併せて、会員の皆様のご健勝、ご多幸を心より祈念申し上げます。

歴代支部長が語る 支部創立50周年

活発な支部運営を支える青年会出身者
第7・9代支部長 後藤 晃
(昭和63年度~平成2年度/平成6年度~8年度)

 江戸から明治・大正へと移るにつれて、文京区にあった殿さまの屋敷は学校や役所になり、庶民の住宅も増えていきました。私の先祖は、大塚の農家で、父は戦前、家作で生計を立てていましたが、戦災で全焼し、戦後は不動産仲介業に移行しました。
 戦後の文京区の不動産業界では、八木沢さん、藤田さんが支部長の時は、最初は飲食の席で役員会をしていましたが、小林さんが支部長になってからは飲食のない会合に移行していきました。でも、その頃は事務所がなく、あちこち会場を借りておりました。
 私が支部長になってから、それではまずいと、春日町の交差点の2階に借りたのが最初の事務所でした。
 事務所が安定してからは、そこでいろいろな会議もやりやすくなり、活発な支部運営となっていきました。また、支部会員も不動産業務の研究会や趣味の会等を、支部の事務所で活発に行っておりました。そして、現在は本郷三丁目の交差点近くに事務所があります。
 ここで注目すべきは、青年会の発展であります。文京区の青年会の歴史はかなり古いですが、近来、青年会の活動は他の支部に比べ特に顕著で、これら青年会出身の幹部の人達が今日、支部を支える役員となって、新井支部長のもと、他の支部にはない活発な支部・業協会運営を行っております。


かけがえのない思い出、ご支援に感謝
第10代支部長 寺村 光司
(平成9年度~19年度)

支部創設50周年おめでとうございます。その間に支部長として支部運営に参加できましたことは、かけがえのない思い出となっています。今思い出してみますと平成18、19年は、本部専務理事として40周年事業に参加し、藤田会長の下、記念研修会には石原慎太郎都知事に講演をしていただきました。また、公益法人化を目指して、資格取得のための勉強もさせてもらいました。色々活動をさせていただきましたが、これも会員、役員の皆様のご支援があってこそ、と感謝しております。


これまでより、これからが厳しい50年
第11代支部長 原 晏孝
(平成20 年度~23年度)

 宅建文京区支部の皆様、50周年、誠にめでとうございます。
 私は2期4年間、支部長を皆様のご協力のお陰で務めさせていただきました。その間、大きな変化は公益社団法人に移行したことですが、本部が推進したので、私は本部の理事の末席にいただけですが、これによって本部の権限が増大し、支部の独自性は徐々に減少すると思われます。
 私が退任後、取引主任者が取引士に変わり、宅建業者の社会的地位も公益化と共に上がったと思いますが、問題は商売繁盛に寄与しているかどうかです。
 私は25年くらい前に、支部報に「街の不動産屋に明日はあるか?」という題で投稿したことを思い出すのですが、当時、漠然とした不安が徐々に現れてきました。
 街の宅建業者としては、仲間はパートナーであり、また、ライバルでもあるのが現実です。本日以降の50年は、少子高齢化による人口減少、大手の進出、チェーン店の進入等により、ますます街の業者のパイは小さくなってくるでしょう。
 したがって、本日以前の50年よりも、100周年を迎える今後の50年のほうが、より厳しいと思われます。これの対策としては、こうやれば良しという手品のような方法はないと思います。ただ、地道に、這いずり廻ることと、鍵は前述したように仲間のパートナーを取るのか、ライバルとして認知するのか。この感覚が今後の50年を決定するのではないでしょうか。
 いずれにしても、私は残念ながら100周年を祝うことはできませんが、冥土より皆様方の奮闘努力を期待しております。


要求に応えるため日々研鑽を怠りなく
第12代支部長 奈良部 宏
( 平成24 年度~25 年度)

 私は、平成2年3月18に会社設立、同年6月1日に不動産業を開業した。その5、6年後、赤門不動産・稲本さんの後任として財務委員長に就任。当時は、会計ソフトがなく、手作業で元帳付けを行っており、期末に行う決算書作成には苦労した。また、年会費も班長が手集金しており、班長さんの任務の重さを感じた。
 平成20年代初め頃までは、全日と比べ圧倒的に入会者が多く、本部・支部も余力を蓄えつつあったが、入会者の減少、退会者の増加により、赤字が出始め、諸事節約の時代に入った。支部や支部事務所の統合も、この先再燃するのか。
 さて、現実の仕事では重説(重要事項説明書)の重さがズシリとのしかかる。特に告知義務違反、瑕疵を避けるため、物件の調査に大変な時間と労力と責任が要求される。新たな規制、確認事項に対する日々の研鑽を怠りなくしていかなくてはならない。


祝 辞

東京都議会議員
中屋 文孝

 創立50周年、誠におめでとうございます。心からお喜び申し上げる次第です。
 本日を迎えるにあたり、歴代の支部長さんをはじめ、役員の皆さまは、喜びもひとしおであると思います。私も、日頃からご指導頂いている一人として、今後とも一層、文京支部の発展の為に全力を尽くして参りたいと思います。
 結びに、皆さまのご健勝、ご多幸をお祈りして、祝辞と致します。


文京区議会議長 
白石 英行

 創立50周年、誠におめでとうございます。22万区民のために、地域に根ざして、住環境の向上に御貢献いただくなど、多大なる御尽力に敬意と感謝の意を表します。
 貴支部が更なる御発展を遂げられますよう、心より御期待申し上げます。



文京区議会議員 
名取 顕一

 激動の半世紀。不動産の首都圏市場を支え、宅建業の適正な運営と公益の増進に尽力されてきたことに敬意を表します。50周年の大きな節目を迎え、宅建文京区文部の更なる発展と会員の皆様の益々のご活躍をお祈り致します。



文京区議会議員
佐藤 豪一

 50周年おめでとうございます。役員のみなさまにおかれましては、商売繁盛、業界発展のために日々務めていただいているものと、心より感謝いたします。また、今後も激動的な変革の時代を業協会が生き抜くために、会員の代表としてご尽力いただきますようお願い申し上げます。宅建業協会が日本の不動産業の新たな文化をつくり、発展し、会員のみなさまの繁栄を祈念して、ご挨拶とさせていただきます。


10年間の活動記録〔平成18(2006)年度~27(2015)年度

目次

1. 3.11東日本大震災に対する支援活動
─特別委員会を設置し対応

2. 文京区「すみかえサポート事業」に参画
─お年寄りなど住み替え困難者への住居斡旋活動を開始〈平成18(2006)年4月〉
文京区「すまいるプロジェクト」に協力〈平成27(2015)年4月〉
文京区の創業支援事業に係る不動産情報の提供について
区と協定書を調印〈平成28(2016)年3月〉

3. 文京区との連携事業・その他の社会貢献・PR活動
NPO法人東京ジュニアオーケストラソサエティ定期演奏会を後援〈平成24(2012)年8月〉
「無料不動産相談会」毎日開催スタート
冊子「ハトマーク不動産相談に行ってみよう」を制作〈平成25(2013)年4月〉
根津・千駄木「下町まつり」に無料不動産コーナーを出展〈平成25(2013)年10月〉
東京大学と留学生・外国人研究者賃貸住居あっせん提携制度を開始〈平成27(2015)年1月〉


3.11東日本大震災に対する支援活動記

 ─特別委員会を設置し対応

平成23年3月11日(金)
 地震発生
 平成23年3月11日14時46分18秒、宮城県牡鹿半島の東南東沖130km、仙台市の東方沖70kmの太平洋の海底を震源とする東北地方太平洋沖地震が発生した。地震の規模はモーメントマグニチュード(Mw)9.0で、発生時点において日本周辺における観測史上最大の地震である。
 この地震により、場所によっては波高10m以上、最大遡上高40.1mにも上る巨大な津波が発生し、東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害が発生した。また、巨大津波以外にも、地震の揺れや液状化現象、地盤沈下、ダムの決壊などによって、北海道南岸から東北を経て東京湾を含む関東南部に至る広大な範囲で被害が発生し、人々の生活に必須な、いわゆるライフラインが寸断された。
 被害
 平成28年(2016年)3月10日時点で、震災による死者・行方不明者は18,455人、建築物の全壊・半壊は合わせて400,326戸が公式に確認されている。震災発生直後の避難者は40万人以上、停電世帯は800万戸以上、断水世帯は180万戸以上等の数値が報告されている。
 福島第一原子力発電所
 地震から約1時間後に遡上高14-15mの津波に襲われた東京電力福島第一原子力発電所は、全電源を喪失。原子炉を冷却できなくなり、1号炉・2号炉・3号炉で炉心溶融(メルトダウン)が発生。大量の放射性物質の漏洩を伴う重大な原子力事故に発展した。それによる風評被害は、広く不動産業界に影響を及ぼした。


3月24日(木)
 第1回支部臨時理事会を開催
 東日本大震災に対する文京支部の取り組みについて協議し以下を決定。
 ○決定事項  「東日本大震災支援特別委員会」を設置し支援をすることに。
 ○委 員 長  中村 哲也 / 実用ライフサポート㈲
  副委員長  井上 慶太 / ㈱明治コーポレ―ション
        中  晶紀 / 春日土地㈱
        徳山  明 / ㈱尚建
 ○ 社会貢献事業費より文京区を通じて100万円、宅建本部を通じ25万円、合計125万円の支出を決定。
 ○4月1日付、支部会員へ義援金のお願い文書の発信を決定。

3月29日(火)
 成澤廣修文京区長を訪問し義援金100万円を手渡す
 原支部長、寺村常任相談役(本部副会長)、尾川副支部長、新井副支部長、小能副支部長、奈良部専務理事、佐藤(豪)総務副委員長の7名により成澤文京区長へ義援金100万を手渡す。この義援金は文京区より区内の町会、自治会、各種団体、区民の義援金と合わせ岩手県、宮城県、福島県に贈られた。


4月1日(金)
 支部会員へ直接「義援金のお願い」文章を発信

5月9日(月)
 第1回常務理事会で義援金募集結果を報告
 「義援金のお願い」によりご寄付(合計66万1,720円)をいただいた74社の会社、個人を紹介。
 「義援金のお願い」で集まった寄付金での支援方法検討を開始
 東日本大震災特別委員会は「義援金のお願い」で集まった善意の寄付金を活用した有効的な支援方法について以下のテーマに従い検討を開始する。
 テーマ1 「赤十字に送っても被害者に義援金が届かない?」ならばどうすればいいの?
 テーマ2 「赤十字以外への義援金」どこにおくればいいの?
 テーマ3 「被災地の子どもたち」を“直接”支援する方法はないの?
 テーマ4 「スピード感・即決力」をもって支援するため理事会の承認をいただく。


10月12日(水)
 福島県南相馬市役所を訪問。支援物資と支援金を大甕小学校の子どもたちの元へ
 東日本大震災特別委員会は検討を重ねた結果、下記の支援物資を学校再開の準備をすすめている大甕(おおみか)小学校(福島県南相馬市原町区の高台に位置し、学校そのものは津波の影響は受けないものの、学区内は津波の被害と福島第一原子力発電所の「立ち入り禁止区域」に指定されるなど大きな被害を受けた地域の学校)へ寄贈することに。第一の訪問先である南相馬市役所では桜井勝延市長、教育委員会教育長、大甕小学校校長先生、小川市議会議員へ支援の報告を。そして、支援を事務的に届けるのでなく、私たちの「心」をお届けするために、自らトラックで大甕小学校の子どもたちへ「支部長メッセージ」「支援物資」「支援金」を届ける。

 ≪支援内容≫
1.支援物資   
 SHARP 32インチ液晶テレビ 12台
 日立 掃除機        12台
 その他付属備品

2.支援金    現金220,000円
支部事務所へ搬入された物資







平成24年5月31日
 支部「震災支援活動」に文部科学省から感謝状が届く
 原前支部長の「義援金のお願い」から始まった支援活動を受け、被災翌年5月、文京区支部宛てに「文部科学省生涯学習政策局長」より支部会員の皆さまの温かい気持ち、心遣いに対して感謝状(写真)が届く。


コメント
中村哲也 東日本大震災支援特別委員長(当時)
 私達にできる事はないのか? 当時の青年会メンバーからそのような声があがってきた。青年会長であった私が、そのまとめ役に任命された。
 被災された方々、支援したいと思う善意。その善意を直接届けたい。その思いから「南相馬市立大甕小学校」に教室用のテレビ12台と掃除機12台、支援金をレンタカーに積み込みお届けしました。手を握り、お礼をおっしゃっていただいた校長先生、教頭先生の顔を今でも鮮明に覚えています。
 今、九州地方で大きな地震が発生し、日を追うごとに被災状況が拡大しています。私達は常に「助け助けられ」の心を忘れてはならない事。改めて思い返しています。



文京区との連携事業

〈平成18(2006)年4月〉
文京区「すみかえサポート事業」に参画
―お年寄りなど住み替え困難者への住居斡旋活動を開始


 平成18年4月、文京区は連帯保証人の確保ができないために区内民間賃貸住宅への住み替えが困難な方が、区と協定した民間保証会社が提供する債務保証サービスを利用できる『すみかえサポート事業』を開始した。
 制度を利用できるのは、高齢者世帯、障害者世帯及びひとり親世帯のいずれかに該当する方で、保証内容は、滞納家賃、残存家財等の撤去費用、訴訟費用、原状回復費用等。
 文京区都市計画部住宅課住宅課長から、この制度により「入居した方の家賃の滞納などについての家主さんや不動産会社さんの不安を軽減し、高齢者等の方々の住み替えがより円滑なものになるとともに、区内の住宅ストックを有効に活用することが可能となります。この事業実施にあたって、まず大切なことは、実際に物件を扱い、家主さんと入居される方との橋渡しをされている不動産会社さんのご理解、ご協力をいただくことだと考えています」と、協力要請が支部になされた。
 支部としては、制度の詳細を支部会員に周知・伝達するとともに、文京区役所が主催する「住み替え相談会」(18年度は計4回開催)に相談員を派遣し、相談に応じた。

コメント
沼田 守康 相談委員長(当時)
 文京区からの住居取得困難者等に対する斡旋協力要請はこれ以前からあり、支部でも「住宅協力委員」「住宅斡旋委員」という名称で、一部会員に委嘱してきました。この年から民間保証会社による保証制度を設け、区があらためて要請してきたものと思います。この年の一番の思い出は、中央ブロック主催の不動産相談会を、文京区支部が担当で初めてシビックセンターで開催したことです。当日、私は入院していましたが、文京区広報課と話し合いながら段取りだけは終えていましたので、後は原さん(元支部長)にお任せしました。当日の会計事務は新井さん(現支部長)にお願いしました。問題もなく盛大にできましたとのことでした。



〈平成27(2015)年4月〉
文京区「すまいるプロジェクト」がスタート
「住まいの協力店」登録に協力


 平成27年4月から文京区福祉課において「すまいるプロジェクト」がスタートした。
 「すまいるプロジェクト」は、今まで区の住宅課などから依頼があった高齢者への住宅斡旋をもう少し踏み込んで、また貸主や管理不動産会社のリスクをさらに取り除きながら、発展させた内容になっている。
 高齢者・障がい者・ひとり親世帯に対しての住宅供給で、貸主に対しては、毎月1万円を区が支払い、プラス室内の内容(エアコン設置済みやペット飼育相談可など)がある場合に、さらに加算して区が貸主へ支払う(加算上限1万円)。不動産会社へは、区より謝礼金が別途支払われる。
 また、今まで問題になっていた入居者が室内で倒れる、または倒れたまま発見が遅れるなどの問題に対し、ライフサポートアドバイザー(LSA)が毎月1~2回ほど、各入居者へ電話や訪問で状況を確認してフォローする。また緊急通報装置(ALSOK)を区負担にて設置し、入居者が緊急の場合には、直接セキュリティー会社へ連絡することができる。
 よく勘違いされるが、この制度は生活保護をターゲットにしたプロジェクトではなく、お金は持っているが住み替える場所が少ない高齢者への対策になる。ひいては、それが現在シルバーピアなどの高齢者施設に入居している方で、本当にそこでの住まいが必要ではなく、民間の住宅でも生活が可能の方に、このプロジェクトの住居に入居して頂き、本当に高齢者施設などへの入居が必要な人が、施設に入れるということにも繋がる。
 登録されている物件については、必ずしも高齢者などが入居しなければならないわけではなく、まずは一般の方々に募集している物件を登録して頂き、先に学生さんなど関係のない方で部屋が決まった場合は、募集が打ち切りとなるだけある。
 登録住宅の条件やそれに該当する人には一定の条件があるが、それほど厳しいものではない。またこの制度は「すまいる住宅登録店」の不動産会社のみ対象となり、平成28年度より当支部では16店舗(他団体が9店舗)が登録店となった。
 対象物件については、文京区福祉課のホームページで現在募集中の物件が閲覧できる。

コメント
奈良部年緒 企画事業担当委員長
 文京区では大学や病院も多く、学生や若い方向けの賃貸が多いので、それほど各不動産会社や貸主にとって大きな問題にはならないかもしれませんが、これから間違いなく高齢化社会がやってきます。高齢者等の賃貸住宅の上手な活用方法を考えなければなりません。このプロジェクトは全国でもそれに先駆けた内容となっていますので、全国的に注目されているプロジェクトといえます。



〈平成28(2016)年3月〉
文京区の創業支援事業に係る不動産情報の提供について区と協定書を調印

 宅建文京区支部は平成28年3月1日、文京区と起業希望者に対して不動産に係る情報を提供すること(「文京区創業支援事業」)について協定書に調印した。協力の内容、運用の仕方は下記の通り。なお、この協定の有効期間は平成28年4月1日から平成29年3月31日まで。

【協力内容】
 文京区経済課で実施する『文京区創業支援セミナー』(区内で創業を希望する方、区内で創業後5年以内の方を対象にした創業支援セミナー※)参加者のなかで、希望する者に対して区と宅建文京区支部が連携して不動産物件情報を提供するもの。
※ 例年、年間50 ~ 70人程度が参加し、創業に至るのは5 ~ 10人程度。入門編(10月開催予定)、実践編(10・11月開催予定)、テーマ特化編(7・8月開催予定)。

【運用の仕方】
① セミナーの際に受講生に協定に基づく不動産情報の提供サービスがあることをお知らせする。受講生を限定したサービスとし、ホームページ等では周知しない。
② 希望する受講者から申込書を提出してもらう。適切な情報提供を行うため、希望地域やその他の条件など極力具体的に絞るよう誘 導する。
③ 区から宅建文京区支部にFAXで照会する。
④ 照会内容について、宅建文京区支部から所属会員に照会する。
⑤ 該当情報がある所属会員は直接区に回答をFAXで送信する
⑥ 回答のあった情報を区から申込者に伝える。
⑦ 申込者が回答のあった不動産会社に問い合わせる。 以上

コメント
新井浩二 支部長
 文京区では区内で起業を希望する方などを対象に「創業支援事業セミナー」を開催しており、年間50 ~ 70人程度の方が参加しているそうです。セミナー参加者のうち、希望者に対し不動産情報を提供することについて、文京区と当支部は協定を締結しました。文京区から情報提供の依頼がありました場合には、会員各位のご協力をお願い致します。



その他の社会貢献・PR活動

〈平成24(2012)年8月〉
NPO法人東京ジュニアオーケストラソサエティ定期演奏会を後援─子供の未来に夢を託して

 平成24年8月19日(日)、文京シビックセンター大ホールで開演された第13回定期演奏会から文京区支部は社会貢献事業の一環として後援することになった。NPO法人として特定のスポンサーに偏らず、音楽を通して青少年の育成を目指す東京ジュニアオーケストラソサエティ(T.J.O.S)の趣旨に賛同しての支援活動である。
 同オーケストラは本部を文京区内におき、小学生から大学生までが参加し、その演奏の完成度には定評がある。以後、毎年、後援を続けている。


コメント
綱島正寛 元・広報委員長、監査役
 一見、何の関係も無いかのような音楽と不動産。そこにはリズム感、ハーモニー、テンポ、チームワーク、コミュニケーション、呼吸、健康管理など全てが共通項と言えます。
 宅建文京区支部も音楽を通し学ぶことがあります。このT.J.O.Sのこれからの活動に着目し、ここから巣立つ有為な人材の活躍ぶりを参考に、宅建文京区支部の発展に生かすことがT.J.O.S の支援活動と言えます。
 この東京ジュニアオーケストラソサエティの団員の募集を最初に呼びかけたNHK交響楽団コンサートマスター篠崎史紀氏は語っております。
 『人間は可能性のかたまりです。教育educationとは、educe=「能力を引き出す」という言葉に由来します。個人の可能性を引き出すこと、そこに方向性を与え導く事=instruction、この二つが一体となって初めて教育というものが成り立つのではないでしょうか。』
 この理念は不動産業界も大いに参考にしたいものです。



〈平成25(2013)年4月〉
「無料不動産相談会」毎日開催スタート
冊子「ハトマーク不動産相談に行ってみよう」を制作

 消費者保護推進委員会は、平成25年度から一般消費者を対象とした「無料不動産相談」を、平日、毎日受け付ける制度をスタートさせた。事前に電話連絡をいただき、相談日時はそのつどご相談のうえ決定する。この制度を告知するため、冊子「ハトマーク不動産相談に行ってみよう!」を制作、会員会社に配布し店頭で一般消費者に告知するとともに、区内で開催のわんぱく相撲文京区大会や根津・千駄木「下町まつり」などで来場者に配布した。


〈平成25(2013)年10月〉
根津・千駄木「下町まつり」に無料不動産相談コーナーを出展
 消費者推進委員会は、平成25年10月19日(土)、20日(日)の2日間、根津神社で開催された第15回根津・千駄木「下町まつり」に相談ブースを初めて出展、「無料不動産相談会」を実施した。
 2日間で延べ12名が出向し、不動産相談に応じるとともに、不動産協同組合から購入した「ハトさん」マーク入りのクリアファイルなど販促品に、支部で作成した冊子「ハトマーク不動産相談に行ってみよう!」をセットして来場者約1,000名に配布した。
 下町まつりの行われる10月の日曜日は宅建試験と重なることも多く、要員確保に苦労するものの、この年以降、毎年ブースを出展している。

コメント
佐藤豪一 元・消費者保護推進委員長
 不動産に悩みを持つ方が、効率的に気軽に無料で不動産相談をできることを目指し、完全予約制で支部事務所を活用し、今の「不動産無料相談」を始めました。また、「下町まつり」では多くの方がブースを訪れ、PR冊子も配布でき、認知度アップに貢献しています。



〈平成27(2015)年1月〉
東京大学と留学生・外国人研究者賃貸住居あっせん提携制度を開始
 平成27年1月29日(木)、文京区民センターで文京区支部消費者保護推進委員会と東京大学の共催で「東京大学留学生・外国人研究者賃貸住居あっせん提携制度」の説明会を開催した。
 この制度は東京大学留学生・外国人研究者が賃貸借契約から部屋明け渡すまでの間、リフォーム費用、敷金の返却、習慣の違い、日常のルール等で、トラブルに巻き込まれることが度々発生しているため、留学生や研究者の負担を減らすには不動産業者の協力が必要とのことで、東京大学より文京区支部に相談があり、消費者推進委員会がその担当部署となった。
 佐藤消費者保護委員長、新井支部長、幹事会と東京大学との間で契約書、重要事項説明書、賃貸住宅入居保証書等の書式内容を説明するための英文訳や、どのようなかたちで進めていくかの協議を重ねてきた。
 説明会では東京大学より留学生の現状についての説明が参加者会員になされ、参加会員は 側から見た懸念材料・体験談をまとめ発表後、東京大学へ参考資料として提出した。

コメント
河野勝之 消費者保護推進委員長
 平成26年、東京大学国際学部留学生・外国人研究者支援課より文京区支部に協力依頼があり、当時、佐藤豪一消費者保護推進委員長を中心に東京大学との意見交換を積み重ねて、契約書式を全宅連賃貸借契約書に統一し、それに英文訳を添えて契約書、重要事項説明をするというスタイルが出来上がりました。あっせん提携制度説明会に参加した会員業者と東京大学とで様々な問題点について意見交換し、20社があっせん提携店となりました。運用から約1年、東京大学から「本制度を活用した契約は12件有りました」と報告を頂いております。消費者保護推進委員会としては、本制度の充実を図っていきます。

~ 文京区支部50年のあゆみ(略年表) ~